遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

イランの核開発プログラムの脅威 ???

Yahooニュースのトピックスを見ていていつも可笑しくてしようがないのが以下;

Yahooニュース トピックス 「イラン核開発問題」 関連情報 より抜粋


テロ支援国家指定

米政府が国際テロへの支援を繰り返す国家に対して指定する。武器の輸出・販売の禁止、国際金融機関の融資に対する反対などの制裁を科す(kotobankテロ支援国家」)。米国務省は2009年5月30日に発表したテロに関する年次報告書で (イランを) 「最も活発なテロ支援国家」(AFPBB News)と非難した。


その他のテロ支援国家

シリア、スーダンキューバ、※北朝鮮は2008年に除外。


これは意外と事実を表しているかもしれないな、と考えると、不謹慎ながら愉快です。テロ国家アメリを支援しているのが上述テロ支援国家、と云うのは、テロ国家に盾突くことでテロ国家のテロ行為を支援していると云う皮肉だな〜〜とも考えられるから。そのテロ国家の背後にはイスラエルもいる様な。戦争したくてしようがないのでしょうね。核査察をさせないとか許可したとかで騒いでいますが、ではアメリカや核保有国は、IAEAの核査察を受け入れますか? 国防上の重要性からその様な要求は一蹴するでしょうし、それ以前に、核保有国は査察など必要無いと云う前提があります。なんで????


現在はイランが脚光浴びていますが、アメリカのテロ行為の被害者であるニカラグア (先日紹介) や、1998年に国内唯一の医薬品工場を 「ビンラディン生物兵器工場」 である、と決めつけられて爆撃・破壊され、国民の健康維持にその後大きな支障をきたしたスーダン *1 など、本当にお気の毒。キュ−バに至っては−−−


で、イランにハナシを戻しますと;

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090903-00000237-reu-int
イランの核開発プログラムの脅威は「誇張」─IAEA事務局長=米誌
9月3日11時51分配信 ロイター


 [ウィーン 2日 ロイター] 国際原子力機関IAEA)のエルバラダイ事務局長は米科学誌とのインタビューで、イランが核兵器を製造する可能性は当面はなく、同国の核開発プログラムの脅威は誇張されていると述べた。


 エルバラダイ事務局長は「原子力科学者会報」(Bulletin of the Atomic Scientists) とのインタビューで、イランが核兵器開発プログラムを現在進めていることを示す一連の証拠はないと述べた。


 その上で「イランの核開発プログラムが世界で最大の脅威であるかのように語られている。多くの意味で、こうした脅威は誇張されすぎていると考える」と述べた。 (中略)


 エルバラダイ事務局長は、オバマ米大統領のイランとの対話を進めるとの提案について、緊急に精査する必要があるとしている。ただ、イランが対話に応じない場合に制裁を強化したとしても、効果はほとんどないとの見方を示し、「制裁は最後の手段として使用されるべきこと、罪のない一般市民を苦しめる制裁は回避することをこれまでの経験から学んだ。イラクでみてきたとおり、制裁により、弱い立場にある罪のない一般市民が食料と医薬品を手に入れられなくなる」と述べた。


 イランの核開発プログラムをめぐり、2日にドイツで、米国、中国、フランス、英国、ロシアによる高官会議が開かれる。西側諸国はイランに対する4度目の制裁措置導入について中国とロシアを説得したい考え。


 エルバラダイ氏は67歳。IAEA事務局長を12年務めた同氏は、11月に退任する。


さて問題は、エルパダイさん辞任後の後釜として、9月の年次総会での承認後本年12月に、何と私の大っ嫌いな日本外務省の外交官である天野之弥氏が既に選出されていること。以下、 『田中宇の国際ニュース解説 会員版(田中宇プラス)』 2009年7月3日付け 【IAEA事務局長に日本人選出の意味】 より抜粋します;

−−− 昨秋から続いてきたIAEA事務局長選挙では、米欧日の先進国が推す天野と、途上国から支持された南アフリカの外交官アブドル・ミンティらが接戦を繰り広げた。今年3月の理事会で投票が行われたが、選出に必要な3分の2の得票を誰も得られず、選出期限の6月末をすぎ、6回目の投票で、ようやく天野の当選が決まった。 (中略)


 ところが、次期のIAEA事務局長に英米のスパイのような人物が就任してしまうと、事実を指摘して濡れ衣を暴露していくIAEAのあり方が壊され、IAEAが率先してでっち上げをやりかねない。日本の外務省は、省を挙げて「MI6(英国の諜報機関)の下っ端」的な存在で、イランの核問題のでっち上げだけでなく、その前のイラク大量破壊兵器のでっち上げも全面支持し、現在まで何の修正もしていない。イスラム世界やアフリカ、中南米などの諸国が、日本の天野ではなく、南アのミンティを支持したのは当然だった。


いいですか、イラク開戦の主要な口実となった大量破壊兵器保有の証拠なるものは真っ赤な嘘であったことは世界中で周知の事実、子ブッシュでさえ誤りであったことを認めているのですよ。日本は正にアメリカの言いなり。当時の川口外相に至っては、宗主国様に従わないフランスを批判すると云う愚を犯しています。全く、ガキのレベルですね。おまけにコイツらは日本国憲法を読んだことがあるのだろうか? 戦争をしましょうよ、と事前に安保理理事国に働きかけていたってんだから;

ウィキペディア イラク戦争 からの抜粋


ブッシュ政権の情報操作疑惑


後に元財務長官のポール・オニールが「政権開始当初からイラク戦争の計画はあった」と「暴露」した。開戦時のCIA長官だったジョージ・J・テネットは「ブッシュ政権内でイラク開戦前に同国の差し迫った脅威について真剣な協議は行われなかった」と自著で証言している。さらに、ジョセフ・ウィルソン元駐ガボン大使が2003年7月6日付けのニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した記事に端を発した プレイム事件 によって、ブッシュ政権イラクの脅威に関して意図的な情報操作(フレームアップ)をしていた疑惑が濃くなっている。 (中略)


各国での反応

開戦直後の各国の反応は以下の通りであった。 (中略)


日本の小泉純一郎首相(当時)は記者会見で、「アメリカの武力行使を理解し、支持いたします」と表明した。後に明らかになったことだが、小泉の同声明は外務省の事務方が用意した文書よりも踏み込んだ内容になっている。文書では「理解する」との表現が盛り込まれていたが、開戦の際の記者会見では小泉は「支持」という踏み込んだ文言を用いた。日本は単に支持するだけでなく、開戦前から米国に賛同するよう安保理理事国に働きかけていた。また、開戦直前の3月19日、衆議院外務委員会で川口順子 外相は「フランスは甘えている」とアメリカに従わなかったフランスを批判した。


前任の 「気骨のひと」 アナン国連事務総長と比較するのは可哀そうかな、と少しだけ思いますが、現総長の潘基文さんは、存在感が無いとか仕事をしていない、と評判は良くありませんね。これで更にIAEAの事務局長までYESマンになると、日本の国是と云える平和だの核廃絶だの、全てアメリカの思うまま。それなら自民党でよかったのですよ、半世紀に渡ってよいしょし続けて来た大々ベテランなんだから。早くも鳩山新政権赤信号点滅、ですかね。


−−− こんなことを見直していると、北朝鮮の核脅威なんてのも一体どこまで真実なのかわからなくなって来ますね。一般的に、外部からの情報は必ず何らかのフィルターを通って届きますし、それを受取る我々も各々の思想なり依って立つところに基づくフィルターを通して理解しますよね。完全に中立やら無色透明なんてことはあり得ない。ところがある種の情報は、報道に至るまでのフィルターおよび我々のフィルター共に世論操作の結果としてある方向へ捻じ曲げられている可能性が大と理解すべき。例えばベネズエラアメリカと戦争をしたがっているのですか? キューバは国民が抑圧された暗黒国家ですか? 北朝鮮は悪魔ですか? イランはジハード (この言葉の本来の意味は理解されているのかな?) に燃えたテロ国家ですか? 常識で考えればそんなことはあり得ません。何のメリットもありませんから。 同じ様に、アメリカや日本に言論の完全な自由はありますか? アメリカ人や日本人は皆幸せですか? いつの頃からかはやりになった 「国際社会」 って、その実態は何ですか? 自分で経験したことでさえ、常に 『本当かな?』 『何故だろう?』 と考えない限り、結局何もわかりません。 そんなことは考えたくないと云う思考停止もそれなりに快適かも知れませんが、日本と云う国、残念ながら孤立しては生きていけないのです。 大体、食いものが無いでしょ?


子供の頃、今とは少し事情が違った様な気はしますが、クラスにガキ大将っていませんでした? 自分がいじめられているとして、学校を辞めましたか? (今は相当荒れているみたいですから辞めるかも−−−) 辞められなかったとすると、今でも生きていると云うことは、(1)家来になるか、(2)先生や同級生や親など周りの助けも借りて我慢するか、(3)逆襲するか、のどれかで対応した筈。どれも正解と思いますが、アメリカ映画では間違いなく(3)が正解です。一度ぶん殴ってみたら? ガキ大将の取り巻きは、大将がやられたらクモの子を散らす様にいなくなりますから放っておけばよい。 一方では思わぬ仲間も出てきますしね。その様な仲間をどれだけ作っておけるかが、武力無き自衛の為の外交なのでは?


だから外国語のみならずその国や地域の歴史やら文化を学ぶ必要があるし、質のよい翻訳も存在価値がある、ってことでいかが?

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*1:2001年10月27日付け 田中宇さんサイトに掲載された テロの証拠を示せないアメリカ 参照