オバマ新大統領発表の アフガン政策新包括戦略 Watch: その8 イラン大統領選挙のこと
YAHOO 「アフガニスタン復興」 トピックスに記載されている無味乾燥な6月13日以降の記事一覧は次の通り;
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/afghanistans_political_future/news_list/?pn=1
- <米補正予算>ステルス戦闘機生産ライン維持費も盛り込み(毎日新聞)19日 - 21時43分
- 米補正予算案が上院通過 イラク・アフガン戦費に8兆円(CNN.co.jp)19日 - 18時24分
- アフガンの住民死亡で米軍の責任認める 統合参謀本部議長(CNN.co.jp)19日 - 17時18分
- 米上院、1060億ドルのイラク・アフガン戦費拠出を承認(ロイター)19日 - 13時37分
- 米上院、1060億ドルのイラク・アフガン戦費拠出を承認(ロイター)19日 - 13時37分
- テロ容疑者の国内釈放を禁止=戦費承認で条項追加−米議会(時事通信)19日 - 10時0分
- 部族地域にミサイル攻撃、米軍無人機か パキスタン北西部(CNN.co.jp)18日 - 19時18分
- 韓米首脳会談の合意履行へ、関係官庁が作業着手(聯合ニュース)17日 - 19時22分
- 米下院、イラク・アフガン戦費1060億ドルの拠出を可決(ロイター)17日 - 12時29分
- 米下院、イラク・アフガン戦費1060億ドルの拠出を可決(ロイター)17日 - 12時29分
- <イラン>米政権、混乱に「深い憂慮」一方で不正批判避ける(毎日新聞)17日 - 11時7分
- 韓米首脳会談、韓国への「核の傘」保障で合意(聯 合ニュース)17日 - 9時25分
- <上海協力機構>北朝鮮の姿勢「容認できない」 各首脳一致(毎日新聞)16日 - 20時30分
- 金融分野で協力強化=北に自制求める−上海協力機構(時事通信)16日 - 19時59分
- アフガン大統領選に41人立候補、カルザイ氏信任投票の様相(読売新聞)16日 - 19時31分
このところ気になっているのがイラン大統領選挙結果をめぐるゴタゴタ。アメリカにとって 『好ましくない』 陣営への 『表向き合法的な妨害工作』 、『好ましい』 陣営への 『表向き合法的な肩入れ』 は何も今始まったことではありません。勿論、選挙に不正があったかどうかの調査は行う必要がありますしその結果を公表する義務もありますよ。「負けた」 陣営が選挙不正を主張してやり直しを求めることは西側陣営でも珍しいことではない。しかし今回は相手が主権を持った別の国ですから、確たる証拠無しに非難することは主権国家に対する侮辱となり、確たる証拠があると云うなら、どうやってそんな情報を入手したのだ?お前が情報操作しているからこそではないか、と云う点が問題となりますね。かつ相手が南米ベネズエラの様な小国ではなくイスラム圏の大国であるイランの、それも大統領選挙。対応間違えるとオバマの命取りとなりますね。この点に関して議会はそっぽを向いていますし。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090618-00000096-reu-int
米国務省、イラン大統領選「介入」批判を否定
6月18日10時9分配信 ロイター
[ワシントン 17日 ロイター] 米国務省は17日、同国がイラン大統領選挙に介入しているとするイランの主張を強く否定した。イランは、米国を代表する駐テヘラン・スイス大使その他各国外交官などを召喚し、選挙に関して米国は「介入主義的」発言をしていると抗議した。
米国務省のクローリー報道官は「(オバマ)大統領が言明している通り、われわれは選挙およびその余波に関連してイランで起きている論争には、介入していない。これは米国の問題ではない」と述べた。
私はIT技術やらインターネットのもたらす恩恵に浴することが出来るラッキーな立場におりますが、それは世界規模で見た時には決して当たり前のことではありません。で今回特に気になっているのが、そのネガティブな面。例えば;
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/mideast/267508/
SNS、Twitter、YouTube イラン混乱 ネットも激戦
2009/06/18 01:50更新
(ニューヨーク 松尾理也/SANKEI EXSPRESS)
■改革派の「武器」
有力SNSの「フェースブック」上に開設された改革派ミルホセイン・ムサビ元首相(67)のページには、ムサビ氏の写真とともにコメントが随時更新されて掲載されている。「つぶやき」と呼ばれる140字以内の短文を投稿する一言ブログサイト「ツイッター」は、支持者らがデモを組織し、取り締まりについての情報を交換する場所としての機能を果たしている。
政変や騒乱の際の情報発信の手段としてすっかり定着した動画サイト「ユーチューブ」にも、デモの際の流血の場面などが続々と投稿されている。ユーチューブは通常、暴力的な場面は削除する方針を表明しているものの、今回は「記録としての価値」にかんがみ、基本的にはそのまま掲載を続けている。
■米国務省も後押し
ムサビ元首相の支持層の重要な一角を占めるのが、インターネットの利用に精通した学生たちだ。加えて、イランの人口構造は若年層主体で、結果的に、政治へのインターネットの利用では圧倒的に改革派が保守派をリードする状況が生まれている。
こうしたインターネットの影響力は、国家的な駆け引きの一部にもなりつつある。米国務省は「ツイッター」に対し、今月(6月)15日に予定されていた保守作業のためのサービスの一時停止を延期するよう要請したという。
「ツイッター」側は、政府からの要請の事実について明らかにしていないが、「重要なコミュニケーションの手段としてツイッターがイランで果たしている役割のため」として、実際にサービス停止を1日延期した。
インターネットは元々、1969年アメリカのARPAネット (国防省の一機関ではあるが、その目的は純粋にコンピュータ・サイエンスの研究) の実験を皮切りに、1980年代初頭に始まったCSネット (CS=コンピュータ・サイエンス) に至る10年あまりの間に一貫してコンピュータ・サイエンティストのためのネットワークとして発展しました。彼らにとって重要だったのは、ある情報をどうコンピュータに蓄積して、さらにコンピュータを使ってどう共有したり交換するか、ということでした。 *1
その守備範囲はコンピュータ・サイエンスの分野から一般的な学術研究へとどんどん拡がり、ネットワークもそれ以外の人たちへ拡がった。人間の活動は本質的に多くの知識や情報へのアクセスと、人間同士のコミュニケーションによって成り立っているので、情報や知識を幅広く交換したり共有したりすることを支えるインターネットは、まさに知的な人間活動全般にわたるたいへん重要なインフラストラクチャになっていると言えるわけです。 *2
インターネットの可能性については色々語られていますからここでは取り上げませんが、インターネットで世界平和が実現する訳でも、飢えが無くなる訳でもありません。コップひとつ動かせる訳でもないし、米粒1粒たりとも産みだすことさえ出来ませんから。あくまでコミュニケーションの手段に過ぎませんし、情報操作の容易さ・アクセシビリティ (情報格差) の問題・リアルの世界との整合など、解決すべきネガが数多くあると私は認識しています。国境のない世界なんて、バーチャルの世界でも実現不可能。
一方アメリカ政府の優れたところは、この点は素直に認めざるを得ないのですが、自国に留学する外国のエリート、即ち将来のその国の為政者となり得る人たちを、徹底してアメリカと云うシステムのファンにして送り返すこと。若い人たちは一般的に世間知らずである一方新しいことを吸収するのは早いので、アメリカと云うシステムが最終形の善と考えてしまう。加えてアメリカに留学出来ると云うことはその国でも一握りの上層階級のぼんぼんやおひいさまと云うことですから自国の下世話のことには興味が無く、掘り下げて考えることも無い。アメリカ国民以上に操作しやすい存在となり易いと思います。数少ない例外はあるのでしょうが。日本にも少なからずいますよね、エリートなどではありませんが某国政府のスポークスマンみたいのが。
例えば 「アメリカ」 が象徴するシステムにあこがれて 『自由を勝ち取った』 東欧諸国の人たちは本当に幸せになったでしょうか? アメリカと云うシステムは実際には良いものと悪いものがセットとなっていますから、アメリカを蝕む病巣まで移転してしまう。日本がいい例ですね。(東欧諸国と比べれば経済的には豊かなのでしょうが、払う犠牲も大きい)
ハナシをイランに戻しますと; 上掲の記事に関して私が気になっているのは、「政治へのインターネットの利用では圧倒的に改革派が保守派をリードする状況が生まれている。」 と云う点。我々が日本にいて 「お手軽に」 見ることが出来るのは、結果として改革派の情報のみ。保守派のことが全く見えない。またインターネットと云う性格上、情報の真の発信元は確認が出来ない。
また、インターネットの世界は政治フリーだとは云っても、実際にはアメリカの会社が運営するサービスに乗った情報発信が優位。【暴力的な場面は削除する方針を表明しているものの、今回は「記録としての価値」にかんがみ、基本的にはそのまま掲載を続けている。】 、あるいは 【「重要なコミュニケーションの手段としてツイッターがイランで果たしている役割のため」として、実際にサービス停止を1日延期した。」】 と云うのは、結果として偏った情報の発信を認めていることになりますね。アメリカ政府の圧力によるものでしょうから、新聞に続いてお前もか、の感が強い。試しに、アメリカ政府にとって不都合な場面を投稿してみるといい。流血シーンなどなくても恐らく即刻問答無用に削除されます。
この 情報の偏り にどう対応するか、工夫が必要ですね。ネット検索上位に表示されるものだけ見ていたのでは、情報操作のエジキになるだけですから。
ご参考まで、田中宇さんサイト http://tanakanews.com/ に関連記事がアップされています。(会員のみアクセス可)以下、見出しのみ;
◆イラン選挙騒動の本質
【2009年6月20日】 たとえ実際には選挙不正がなく、ムサビの反政府運動が言いがかりに基づくものでしかないとしても、イラン国民の反政府意識を扇動し、イラン全土を巻き込んで展開されるであろう保守派と改革派との政治闘争の中で改革派が有利になり、最高指導者のポストを改革派が奪取できれば、目的は達成される。実際に不正があったかどうかは、最重要の要素ではない。改革派は、選挙不正に対するイラン国民の怒りを煽り、政権転覆への起爆剤として使っている。
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