遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

母の日

本日 『母の日』 は日頃の母の苦労をおもい、感謝を表す日ですが、実は5月5日の 『こどもの日』 も、国民の祝日に関する法律祝日法)では、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」とあり、その意味ではこどもの日も「母の日」である *1ことは認識していませんでした。


私個人的には、昨年X’mas に記した様に、クリスマスを出産経験のある女性全てに おめでとう!! と心の中でお祝いをする日と勝手に決めていますので、本日は自分の母親だけに感謝することにしています。(電話でも入れておかなくては) 巷ではやれカーネーションだ、プレゼントだ、と消費を煽っていますが、要はこころの持ち方の問題。何でもプレゼントでは寂しい。カタチが無ければ気が済まないのですかね? 皆様々な事情があって必ずしも母子で同居しているとは限らないし。


また時々外国人に言われるのですが、例えば母の日などで母親を前にして双方歯が浮く様な感謝のコトバを言ったりハグもしない日本人は冷たいと云うのは上っ面しか見ていない即物的で間抜けな一面ではあるものの、母親に関しては、「母」に対する感じ方が違うのかも知れませんね。(日本で言うマザコンとは別次元のハナシですよ、為念。)


産みの母親のみならず育ての母親であっても、母子の絆が切れてしまうことは多分無い筈です。うざっ、と思ったり反発したり時には拒絶することはあっても、自分が同じ立場に置かれたり、あるいは同じような年齢に達した時に初めて見える・わかることもありますからね。


ところで母の日に際し、【子供の教育環境改善を=「母の日」で世界の格差調査−NGO】 と云う記事を目にしました; 時事通信社、2009年5月9日6時11分、 url = http://news.www.infoseek.co.jp/world/story/090509jijiX426 『5月の「母の日」に合わせ、国際援助団体「セーブ・ザ・チルドレン」はこのほど、世界各国で母子の置かれた現状に関する報告書を公表した。』 とのことなので、早速子どもたちのための民間の国際援助団体(NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンホームページを訪問;

http://www.savechildren.or.jp/news/2009/20090507mothersday.html


【母親になるのにベストな国ランキング 〜日本は今年も30位以内に入らず、トップは常連スウェーデン〜】 を見て、失礼ながら笑ってしまいました。本部は欧米人によって運営されていますから当たり前と言えば当たり前なのですが、常に欧米の基準が正となり、各国の政治的・社会的・宗教的・文化的な多様性を全て切り捨てることで係数化して比較する訳ですから、常連スウェーデンの地位が揺らがないのは当然。まあ、参考程度にはなりそうですが。


ただしそれでも評価出来るものがあるとすれば、今年のレポートで初めて、世界最貧100ヶ国における幼児期の子どもを取り巻く環境がその後の学校教育に及ぼす影響について分析していること。以下、上述HPから抜粋しますと;

--- 下位5ヶ国にランキングしているチャド、アフガニスタン、マリでは、女子の80%が読み書きができません。これらの国では、およそ5人に一人が5歳まで生きることができません。また、ギニアビサウ共和国ニジェールでは50%以上、パキスタンでは34%の子どもたちが学校へ行っていません。これらの数には、最初は学校へ行くものの、栄養不良や、就学前の幼児教育がないためその後の学校環境になじめず、初期段階で退学してしまう子どもたちが多く含まれます。事実、多くの開発途上国では退学は小学校一年生の段階から見られます。


そして、下位31ヶ国のうち20ヶ国が近年紛争の被害にあっているか、紛争直後、もしくは隣国の紛争による大量の難民を受け入れている国であり、紛争が幼児期の教育の機会を奪っているのは明らかです。


特にアフリカの最貧国は例外なく欧州各国の植民地であったことを考えると、何か責任を感じないのか大変疑問に思いますがね。「紛争が幼児期の教育の機会を奪っている」 なんて、ヒトゴトの様にしか聞こえません。自国で解決出来ない紛争は、例外なく外国の列強にその原因があるのに。例えば現在暴力国家による侵略の犠牲となっているアフガニスタンについては、 url = http://www.savechildren.or.jp/rtf/country/afgan/afgan.html に記載されていますが、

目標

セーブ・ザ・チルドレンは、より多くの子どもたち、とりわけ女子や遠隔地域に住む子どもたち、が学校に通えるようになることを目指し、子どもたちが初等教育を修了できるように支援しています。私たちは、子どもたちの教育を受ける権利に対する地域の責任を強調し、アフガニスタン政府が以下の目標を達成できるように支援していきます。

  • 教育予算の不足を支援する。

  • 初等教育への入学者数を、女子は75%、男子は85%まで増やす。

  • 教師の7割が、一定の能力レベルに達するよう保証する。


このNGOの責任範囲ではこれでよいのかも知れませんが、それ以前に、子どもや国民が殺されることのない最低限の環境と荒らされた国土 (インフラ) を復興させることを国際社会が無条件に保障すること、が最優先ではありませんか???? 今のまま行くと、子どものみならず教師さえ皆殺しになりかねない。それさえ確保出来れば、あとは我々の基準を押し付けることなくアフガニスタンの人達および周辺地域に任せることが可能ですね。教育に関しては多分、我々よりもいいものが出来るかも知れません。(日本の医療や教育レベルが高い、なんて思っているひとは、まさかいませんよね?)


欧米のこのテのNGOなどの団体の活動を見ていると、何もしないよりはマシであることは認めますが、優先順位を考えていない、自国の責任を全く考慮していない、所詮欧米の基準から離れられない、などいらいらさせられることが多いのが本音。活動を通じて得られるのは結局自己満足と社会的なステータスだけではないか。いまだに宗主国気取り、と云われても反論出来ないでしょう。


−−−母親やこどもをを失われた方でも、どんな事情があったにせよこどもが母親から産まれた事実は変わらない訳ですから、是非母の日を祝って頂きたいですね。


何かよいメッセージは無いか、と色々物色しましたが、探す時には見つからないのが常。以下、2004年9月8日バチカンにて教皇ヨハネ・パウロ二世が2005年「第13回 世界病者の日」 にあたって発信したメッセージの最後の部分を掲載します。(翻訳:カトリック中央協議会事務局)

私も含めた非キリスト者であれば、「無原罪のマリア」を母親と読み替えればよいし、「アフリカ」や「エイズ」の部分は各々の事情に置き換えて素直に読めば、こころに沁みることばと思われませんか?

http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/sick/05sick.htm より


ああ無原罪のおとめマリア、苦しみと希望のおとめよ、苦しんでいるすべての人を慰め、その一人ひとりに豊かないのちをお与えください。
あなたの母なるまなざしを、とくにこのアフリカでエイズや他の重病によって打ちのめされている人びと、助けを最も必要としている人びとに注いでください。
子どもを失って悲しんでいる母親たちに目を留めてください。親を失った孫たちを養う糧にもこと欠く祖父母たちに目を留めてください。
このすべての人びとをみ手に包み、あなたの母なるみ心のそばにおいてください。
アフリカと全世界の元后、聖なるおとめよ、わたしたちのために祈ってください。

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*1:ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%8D%E3%81%AE%E6%97%A5 より。各国の母の日の紹介などもアリ