遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

オバマ新大統領発表の アフガン政策新包括戦略: その2

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YAHOO 「アフガニスタン復興」 トピックスに記載されている無味乾燥な5月付け記事一覧は次の通り;


-<パキスタン>アフガン国境で米軍機が攻撃(毎日新聞)9日 - 21時45分

例によって、女性・子どもを含めた民間人の殺戮・非人道的な兵器の使用・でっちあげを含めた情報操作オンパレードですね。5月6日ホワイトハウスで開催されたアフガニスタンカルザイ大統領・パキスタンのザルダリ大統領と会談の後、

3ヶ国が主権国家として国際テロ組織アルカイダイスラム強硬派タリバーンの 「阻止、解体および打倒」 という共通目標で連携していくとの方針を確認

したとのことですが、実態はアメリカによる内政干渉侵略戦争に過ぎず、憎悪が憎悪を増幅し今後の泥沼化が避けられないことは明白。無人機による爆撃により自国民の犠牲と参加戦闘員の罪悪感を最小限とすることを狙った、正にゲーム感覚の人殺し。このスタイルであれば血を見ることも嘆き悲しむ家族を見ることもありませんからね。空恐ろしいことです。オバマ政権発足以来最初かつ最大の汚点でしょう。黒人としての初の合衆国大統領、就任時の名演説などよいイメージだけ先行していますが、やってることは前大統領と同じ。この点に目をつぶってはいけない。


5月8日ワシントン訪問中のカルザイ大統領ですら、自国民の死を目の当たりにして空爆停止を促した様です;

http://www.ocn.ne.jp/dotv/news/data/20090509/a090508205909.8jf6ttkh.html
より抜粋;


アフガン大統領、米軍機の空爆停止を促す=多数の民間人死亡受け


【ワシントン8日AFP=時事】ワシントンを訪問中のアフガニスタンカルザイ大統領(写真)は8日、米CNNテレビに出演し、同国西部で今週、最大130人の住民が死亡したのは米軍機の空爆によるものだとして、空爆の停止を促した。大統領は「空爆は容認できない」と語った。


カルザイ大統領は「空爆で住民が死亡したのは間違いない」と述べ、反政府勢力タリバンの仕業の可能性があるとの主張を一蹴(いっしゅう)した。大統領は空爆テロとの戦いの効果的な方法ではない。むしろ民間人の犠牲の原因になっている。空爆戦略は米国のためにも、アフガンのためにもなっていないと確信している」と強調した。


アフガン西部ファラ州のバラブルク地区での空爆については、米国とアフガンのチームが共同で調べている。アフガンの警察当局がAFP通信に語ったところでは、同地区では空爆で100人余りが死亡した。このうち25−30人は反政府勢力で、残りは年配者や子どもなどの民間人という。


米軍当局者は「死者数は非常に誇張されている」としながらも、具体的な数は明らかにしなかった。同時に、タリバンが住民に手りゅう弾を投げ、犠牲者が出たかどうかを調べていると述べた。カルザイ大統領はそうした可能性を否定し、「125人から130人の民間人が犠牲になったとの信頼できる情報をけさ、政府から受け取った。空爆で死亡したものだ」と語った。〔AFP=時事〕 [時事通信社:2009年05月09日09時57分]


以下リンクは、The Centre for Research on Globalisation (CRG) *2 サイトに投稿された、" Obama’s First 100 Days: The Afghan War is becoming America’s War by Marc W. Herold " と題されたレポートです。西語・英語・仏語・独語など7ヶ国語で読めますし、分量も多くは無くかつ読みやすい文章ですから、興味のある向きは是非一読をお勧めします;

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=13357


なお最新の記事としては、短いものですが;

" Obama allocates more war funds for Afghanistan than Iraq "
Global Research, May 8, 2009 FOCUS News Agency
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=13542 もお勧め。


アメリカの行動を理解するための一助になるチョムスキー教授の著作が、
http://www1.gifu-u.ac.jp/~terasima/chomsky-on_the_world_080920.pdf
「世界は米国の所有物だ」  ノーム・チョムスキー、『Znet』2008年1月1日
翻訳:寺島隆吉+寺島美紀子、公開080806 寺島研究室「別館」HPよりダウンロード可能です。

オリジナルは "We Own The World" Noam Chomsky, ZNet, January 1,2008 付け。 http://www.chomsky.info/articles/20080101.htm で読むことが可能。


去る5月3日は、確か憲法記念日でしたね。戦後、戦勝国アメリカに一方的に押しつけられた古色蒼然たるシロモノですが、改正されるまでは絶対的な効力を持つ筈です。日本国民の相当数が大好きな9条1項で、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」 と定められていますが、アメリカの行動を承認するどころか資金まで出している我々も加害者、共同正犯です。その意味でも日本国憲法は無力ですネ。冒頭に掲げた写真の男の子と一体どう向き合えばよいのでしょう? いや、その子がもし自分だったら、この先どう考えどう行動するのでしょうか????


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*1:以前に紹介したことのある、 The We アフガニスタン特集ページからの抜粋です。

url = http://www.thewe.cc/weplanet/asia/afghanistan/afghanistan.html

カブールの東ナンガルハール県バティ・コット地区で2007年4月29日、ご両親がUS軍の攻撃により殺害された直後撮影されたもの。この日他女性・子どもを含めた51名がこの村で殺害されたとのこと。撮影者= AP/Rahmat Gul

上に紹介したHPには今回の被害者の写真が既にアップされていますが、ここに貼り付けられるものではありません。今でも毎日この様なことが実際に起こっていることを忘れてはなりません。

*2:カナダのモントリオールに本拠地を置くNGOで、作家・学者・ジャーナリスト・活動家のグループの参加する独立系の調査機関。