遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

私の大好きなフラメンコのこと その8: Cadiz (カディス県の首都カディス市) その1

カディスは、セビジャ・ヘレス(シェリーのまち)と共にフラメンコのゆりかごとしてよく知られています。また、3千年の歴史を持つ、ヨーロッパでも最も古い街のひとつでもあります *1 。小説好きな方なら、逢坂剛さんの直木賞受賞作 『カディスの赤い星』 を思い出すかも知れませんね。


地理的にはジブラルタルの北西に位置する港町であり、貿易港・観光・そして多分今でも造船が主な産業かな。地図を見ると、実質辛うじて陸とつながっている島とも云えそう。フラメンコの唄に、

" --- sobre un cachito de tierra que le ha robaito al mar --- "
(海からちょいと失敬したひとっかけらの土地に、位の意味)

とある通り。先端が旧市街地、歩いて1周しても確か1時間はかからなかったと記憶します;

 http://www.mapas.es/204584.html

 http://www.casacampana.com/cities.htm


このまちの歴代の唄い手として有名なのは、

Enrique 'El Gordo' Viejo  (18??〜19??)
Curro Durse         (19世紀)
Rosario La Mejorana     (1862〜1922、踊り手でもあった)
Enrique el Mellizo     (1848〜1906)
Diego Antu'nez       (??)
Ignacio Ezpeleta      (1871〜1938)
Macande           (1897〜1947)
Aurelio Selle'       (1887〜1974)
Manolo Vargas        (1907〜1970)
La Perla          (1925〜1975)
Perico'n          (1901〜1980)
El Flecha          (1907〜1982)
Chano Lobato        (1927〜2009)


カディスの唄』 がどんなものか、上記のうち以下3人の唄を紹介します;



タイトル= EN CAI AURELIO-MOMA TOMASA-CHOTESCO ECT...
1月22日付け 『私の大好きなフラメンコのこと その1: カディスの唄』 で紹介した、La Perla de Cadiz が同席しています。録画の日時・場所も多分同じ。



タイトル= Pericón de cádiz - Tanguillos (1973)
La Perla de Cadiz の夫君で同じく唄い手でもある Curro La Gamba が同席しています。



タイトル= El Flecha de Cádiz - Media Granaína y Malagueña
作家でありフラメンコ研究家でもあった、フェルナンド・キニョネスさんが司会を務めています。



今回最後に再び La Perla de Cadiz の唄を紹介します。特にこのうたは、コトバを理解しようなどとせずに、ぜひ 「感じて」 欲しいですね;


タイトル= perla de cadiz (flamenco) 1972年の録画


(続く−−−)
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*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9
カディス
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

前10世紀ころ、地中海交易で活躍していたフェニキア人が築いた拠点がカディスの起源とされ、フェニキア人によってガディル(Gadir)と称された。当初はイベリア半島の一部ではなく、半島から離れた小島だったと考えられている。土砂の堆積などによって、やがてイベリア半島と結びついた。古代ギリシア人にもカディスは知られており、彼らにはガデイラ(Gadeira)として記されていた。その後、ローマ帝国西ゴート王国の支配を経て、イスラーム勢力による征服を受けた。しかし、13世紀半ばにカスティーリャ王国のアルフォンソ10世がイスラーム勢力からカディスを奪い、再びキリスト教勢力の統治下におかれた。その後、カスティーリャ王国アラゴン王国が合併してスペイン王国が成立したことにともない、カディスはスペイン領となった。