遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

私の大好きなフラメンコのこと その7: 訃報 Chano Lobato さん

私の大好きだった、正統のカディス派の唄い手チャノ・ロバトさんが、聖週間の棕櫚の日曜日にあたる4月5日、セビージャで亡くなられました *1

 1927〜2009
出典: Flamenco-world.com
http://www.flamenco-world.com/magazine/about/nimes2008/enime28012008.htm
2008年1月25日、ニーム (フランス) でのフェスティバルでの写真。


チャノさんと初めてお会いして話したのは、舞踊団の一員として日本にいらした70年代後半? 必ずスペインで唄を聴きにいきますよ、と約束してそれを果たしたのが確か80年、カディス県サン・フェルナンドの図書館で開催された独演会でした。

それからはや30年近く過ぎた訳ですから当たり前といえば当たり前かも知れませんが、21世紀に入って偉大な唄い手が次々といなくなって行くのは寂しい限り。世代交代ですね。粋でいなせな、でも一方では哀愁を帯びた、港町カディスらしい唄が次の世代の唄い手に受け継がれていることを祈るばかり。


YouTubeで、チャノさんのかなり若い頃から最近までの録画を幾つか拾ってみました;



"EL INCONFUNDIBLE CHANO LOBATO" 年代不明ですが、30歳台?
カディスで盛大に催されるカーニバルで歌われるタンギジョ。



"Fin de Fiesta por Bulerías - Manuela Vargas"
チャノさんは踊りの伴奏で唄うことも多かった。先日2月11日の 『私の大好きなフラメンコのこと その4: 足の不自由な踊り手?』 の動画 "Enrique El Cojo. Aires Salineros.En la II Bienal de Flamenco(1982年)" でも唄っておりました。(この動画では踊りも−−−)



"Solea; (1985)"



"Chano Lobato. Historia del tirititran" 2007年
カディスの名物男 イグナシオ・エスペレタのエピソードの語りもアリ。




追悼の動画としては次のものが最高かな? 珍しい、アンダルシアならではのフラメンコ・ミサです;


"Misa Flamenca - Chano Lobato por Bulerias, Bulerias por Solea, Mirabras y Alegrias de Cadiz"


チャノさん、安らかに。肉体の苦痛から解放され、天国では錚々たるメンバーに加わって Juerga (フラメンコの宴) で唄っていることでしょう−−−



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