オバマ新大統領発表の アフガン政策新包括戦略: 過去のあやまちの繰り返し−−−
発足以来非常に好意的に迎えられ期待も大きいオバマ新大統領であるが、27日に発表された 『アフガニスタン新包括政策』 を見て愕然としたので、この点を考察してみることに。
同政策については上っ面だけなめた日本語訳でしか読んでいないが、いくつかの記事を見る限り以下要訳出来そう;
これでは前ブッシュ時代と何も変わらないどころか、アフガニスタンの状況をイラク以上に泥沼化させるだけであるのは目に見えている−−−と思う。何故か?
1)の 「軍・警察の育成および自立訓練を主任務とする軍人の派遣」 は、過去にカリブ・中南米地域を中心にCIAやSOA *1 が行って来た過ちの繰り返し。この政策がもたらすものは結局大規模かつ重大な人権侵害とそれに続く (過去のものよりはスマートな) 独裁政権のレール敷設であることは、先日ドミニカ共和国やハイチのケースで考察したとおり。
2)の文民派遣については−−−よく調べていないので今日現在コメント出来ません。
3)「アルカイダ」 なる組織は世界中で知られる様になったものの、未だにその実態が明らかになっていない。私は、どう考えてもこの組織 (そう呼べるシロモノならばですが) はアメリカ政府の都合のいい様に扱える架空の存在ではないか、と疑ってますが。こんなおばけをひとつ持っていると便利ですよね? 全ての失敗・悪を押し付けることが出来ますからね。うかうかしているとそのうちに、駐日米軍基地のヤンキーの犯す犯罪まで 「アルカイダ」 の仕業にされ兼ねない。
パキスタンへの非軍事援助? 一体そのカネは何のために使われるのか? アメリカに協力するご褒美でしょうがね。
4)汚職より、アフガニスタンの麻薬撲滅が先でしょ? コロンビアがいい例ですが、アメリカが介入するところ必ず麻薬アリ。タリバン時代よりこの点悪化しているのでは?
5)「テロとの戦い」 などという訳のわからない、勇ましいスローガンのもと周辺国や隷属国、なかなか言うことを聞かない欧州勢に一体何を求めるつもりか? オバマは、自国こそ世界に名だたるテロ支援国家であることをまず認識すべきですね。アメリカが、アメリカ以外の国際社会が理解している 「国際社会との連携」 の言葉の意味を理解出来るほど一夜にして賢くなったとは到底思えませんから。
オバマの外交手腕が試される、との論評があるが、今回の政策そのものが恐らく取り巻きやら政権内で強大な発言力を持つ勢力によって策定されたものでしょうから、多分この分野においては日本の首相同様 「お飾り」 であるオバマは今後相当屈辱的な評価を受けることになるでしょうね。
『闇の時代』 の新たな1ページが書かれようとしています。一体これから何人が殺されるのか? 何人殺されれば過ちに気が付くのか? ベトナム戦争を終わらせた様な反戦運動はもうアメリカでは起きないのか?
以下、私の現在の気持ち;
写真の出典: http://www.soaw.org/ Tシャツ宣伝
この図柄は中南米を扱っており、文字の意味は 「殺人学校を閉鎖しろ! 繰り返すな! もう沢山だ!」 このデザインを世界地図に広げるべきですね。
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*1:旧称 米州学校 (School Of the Americas, SOA)、現 「西半球安全保障協力研究所」。
”1946年、在パナマのアメリカ南方軍本部内にSOAとして置かれる。親米ゲリラに拷問技術・尋問法などの教育を施し、西半球の親米軍事・独裁政権と「反米」左翼政権転覆を支援した。“修了者”たちは「反米」運動・レジスタンス運動の有力指導者の暗殺に関わったとされ、SOAも“School of Assassin”(暗殺学校)と蔑まれた。
2001年1月、ラテンアメリカ諸国の軍幹部に訓練を施す名目で、ジョージア州フォートベニングに移転、機関名も改められた。公式の目的は「民主主義的価値観、人権の尊重およびアメリカ的習慣と伝統の普及」であり、研修受講生は「人権、法の支配、デュー・プロセス・オブ・ロー、軍隊の文民統制、民主主義社会における軍隊」について8時間受講する事になっている。
なお、「研究所」と改称しただけで、その存在目的はSOA当時と全く変わっていないとされている。”(以上Wikipediaより抜粋、後日改めて考察)