遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

翻訳家 山岡朋子さん その5

本日『二人だけのレシピ』読了。ロマンス小説を読むのは初めてなので、内容のよしあしはわからない。ただ、訳者あとがきで山岡朋子さんが書かれている以上に、「ホット」なシーンがやたら多く「ストーリー」は二の次って感じが否めない。著者の年代のアメリカ女性が想い描く理想のセックスってこんなものなんだ〜ってことでは参考になりましたが。そもそも男性には内容を語る資格は無いのかも。このジャンルの小説ではこれが普通かも知れません。

本題である翻訳に関しては、山岡朋子さんが『覚悟して』訳されたホットシーンも、文章から読者が描くイメージを台無しにする様な不自然さは殆ど無く、寝転がって勧善懲悪お色気ラブストーリー映画でも見る感じで一気に読めました。

  • また、原題 "Delicious" を『二人だけのレシピ』と訳されたのも納得ですね。(実は私、当初この本の内容を確認せず邦題だけから本屋で探したものだから、女性しかいない料理本コーナーをうろうろして店員さんから睨まれてしまいました)

何事もチャレンジ、その積み重ねが山岡朋子カラーを熟成させるのでしょう。軽かろうが重かろうが、あ、これはあのひとの翻訳だ、って云うね。

明日からは、アルゼンチンの闇の史実に基づくフィクション『ルス、闇を照らす者』が読めるので楽しみです。名訳の誉れが高い様なのでこの作品だけは原著と読み比べたい。まず原著、そして翻訳の順で読みたいが原著未入手。ケチらず中古に大枚払うか、逆にやってみるか悩ましいところです−−−