遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

Wikileaks による新たな暴露: 『ケーブルゲート』 その11 誰のために言論・ネットの自由を殺すか その3

WikiLeaks 最新状況】


セキュリティチェックが必要です での支援呼びかけ; http://wikileaks.ch/mass-mirror.html


追加文書:
             (JST Dec.06, 2010 11:10 現在)

   12月5日付けで77文書追加。(まだ更に追加中?)


今回の暴露で誰が被害を蒙ったか? 誰もいなのでは? 確かにアメリカを筆頭に 「手下」 各国の政治屋や役人がバツの悪い思いをしたり恥をかいたり政治生命が危うくなったかも知れませんが、厚顔無恥な彼らにとっては今までにもくぐり抜けて来た、日常茶飯事のことでしょう。まして世界に君臨するアメリカの政治屋は、国内有権者に糾弾されない限り安泰だし。 アメリカの外交政策に支障が出る? 変えるつもりがないのだから大して関係ありませんよね。ではアメリカ国民の安全が脅かされた? 今回の暴露なんか無くたって、「アルカイダ」のおかげで充分危険に晒されているって言ってませんでしたっけ? アメリカの「品格」が辱められた? そんなものが元々あったのか議論が必要。おまけに、まだ重量級の文書は暴露されていない様だし。(アサンジさんは、メガトン級の機密文書を生命保険としている様です。)


一方アメリカの「野蛮な」外交政策の被害は、それこそ世界中に無数に累積しています。特大級のものが日本にもありますよね。チャベスや84歳になるフィデルにそれを語らせたら、恐らく際限なく実例を挙げて非難するでしょう。アメリカ政府が真に恐れているのは、うまく騙し続けて来た自国民が証拠の裏付けとともにそれを認識すること以外には有り得ません。ウィキリークスごとき組織なんて、今まで多くの他国で行って来た様に法を無視すれば一瞬にして叩き潰せますが、有権者はそうはいかない。(国内法を守るつもりなら)


有権者から目をそらさせ、重量級の文書暴露を阻止するために、暴露された文書の表すアクションの合法性・違法性・是非などについての議論を一切させず、暴露した側に集中砲火を浴びせることに専念しているとしか思えません。ウィキリークスとの戦争状態にあると看做すなら、 『2度目の911』 以降現在まで変わることの無いアメリカ政府の言動は、歴史上の某指導者の言葉を忠実になぞっている様にも見えます;

  • −−−責任は全て敵にある。戦争の責任について我が国だけに責任があるのではない、と論じるのは間違いであって、例えそうだとしても、責任はすべて敵に負わせる事が正しいのである。重要なのは私の責任ではないと突っぱねるのではなく、あいつの責任だと突っ放すのである。単なる責任回避では卑怯者、腰抜けの誹りを免れない。人を相手に交渉する場合、弱み、手の内を見せたらやり込められる。責任を取るのが嫌で、相手に責任を擦りつけるのみでもいけない。あくまで、交渉のカードとしての責任を論じる事が、有効な攻撃の手段となり得る。


アメリカ・その同盟国の大手マスコミは皆抱き込んであるから同情・応援してくれるし。オバマの腑抜け爽やかな笑顔と、英語教材にぴったりの弁舌もまんざら捨てたものではないのかも。犯した罪を脇に置いて声高に権利と手続の不備だけを主張する犯罪者に例えるのはアクド過ぎますか?;




<ウィキリークス>露批判流出相次ぐ 米との関係に影響も
  毎日新聞 12月5日(日)21時31分配信

   こんなことはスパイ合戦に明け暮れる? 両国にとってはお互い様のハナシ、政治家同士で決着出来るでしょう。ただこのタイミングで少しイヤらしいのは、露米の関係に大きく影響する別の原因 −−後者による核軍縮条約「新START」の批准遅れあるいは失敗 −− による結果の責任までがウィキリークスに転嫁されかねないことでしょうか。 とにかく 『ぜんぶウィキリークスのせい』 ですね。


サーバー排除、資金源も遮断=ウィキリークスに世界で圧力―米公電流出
  時事通信 12月5日(日)14時17分配信

  【ワシントン時事】大量の米外交公電を公表し、米政権と世界の外交当局者を震撼(しんかん)させた内部告発サイト「ウィキリークス」に対する圧力が、世界規模で高まっている。 (以下略)

   世界には203ヶ国あります。「世界規模」って、一体何ヶ国のハナシ? この記事は明らかに提灯持ち、どこのご指導により書かされたものか?


WikiLeaks fights to stay online amid attacks
  AP News / Dec 04, 2010 01:13 EST @ Antiwar Newswire


How WikiLeaks altered the way we see the world in just a week
  The Guardian, Saturday 4 December 2010

   今更何をトボけたことを。一部の国を除いて皆三猿を通してきたが、アメリカの姿勢は何ら変わらない。今回証拠によってそれが改めて裏付けられただけのこと。


Government Workers Ordered Not to Read Cables
  Published: December 4, 2010, NYTimes.com

   これで、アメリカの学生さん(就職したいだろ?)・兵隊さん(余計なことは知るな)・お役人さん(身内)に閲覧禁止令が出たことになります。あとどんな職種?が残っているのか楽しみ。


LHC refuses to block WikiLeaks in Pakistan
  Saturday, December 04, 2010, Daily Times (パキスタン


Journalists defend WikiLeaks effort
  Last Modified: 04 Dec 2010 20:17 GMT, Al Jazeera English


延々と続く 韓・米・日 合同挑発

心配された11月28日〜12月1日の米韓合同軍事演習での 『事故・開戦』 は回避されましたが、その後12月3日より8日間の日程で始まった日米共同統合演習、引き続き12月6日〜12日で予定されている韓国軍海上射撃訓練、更には米韓両軍による軍事演習再開も予定 (日程は未定?) されており、事態は予断を許しません;




【米韓日 低レベル協議 06Dec10 @ Washington】


US, key Asian allies to forge strategy on N.Korea
  Sun Dec 5, 3:23 pm ET, AFP via Yahoo! News


  −−−The allied muscle-flexing and Clinton's planned talks with foreign ministers Kim Sung-hwan of South Korea and Seiji Maehara of Japan expose the isolation of China, which has taken a softer approach to reining in its ally in Pyongyang.


  The United States, South Korea and Japan all refused China's invitation for them and Russia to hold emergency six-party talks in Beijing after North Korea shelled Yeonpyeong island, killing two civilians and two marines. (以下略)


   日本からは 「お子ちゃまがいむだいじん」 プチ・ネオコン前原が出席、喜々として渡米する様子が目に浮かびます。主催者はケーブルゲート渦中のヒラリ−、結局韓日はアメリカ軍事・外交政策実現のための駒に過ぎない。影も薄く出番が少ないのだから、いい点稼いでいらっしゃい。




【米韓合同軍事演習 28Nov10 - 01Dec10】


「対話より暴力なのか? 」=努力不足批判に反論―中国
  時事通信 12月2日(木)19時26分配信


   本来これは日本のセリフであるべきでしょう。平和を希求するなんてただのお題目、やはり押し付けられた憲法なんて役立たずですね。『軍拡に走り覇権を目指す赤い中国』 からこんな指摘をされる日本はまさに三流国、代表者を選んだ私をはじめとする有権者はそれ以下。


<北朝鮮砲撃><レコチャ広場>中国の仲介外交はなぜ冷たくあしらわれたのか?―中国
  Record China 12月4日(土)23時34分配信


“戦争を呼ぶ”米国人記者が韓国入り…「不吉な予感」
  中央日報日本語版 11月30日(火)14時40分配信


  北朝鮮延坪島ヨンピョンド)砲撃で韓半島の緊張感が高まっている中、米国の有名従軍記者、NBC特派員リチャード・エンゲル(Richard Engel)が韓国入りし、国民をさらに不安にさせている。


  彼が行くところにはいつも戦争が起こるという理由で‘戦争開始者’と呼ばれるエンゲルは03年、イラク戦争を取材し、バグダッド・カブール・エルサレムベイルートなど主に中東の紛争地域を回りながら戦争の危険を世界に伝えた。 (中略)


  エンゲルが仁川(インチョン)に到着したことがインターネット上で伝えられると、ネットユーザーは「戦争を呼ぶ記者が仁川に来るとは不吉な予感」「なぜよりによって韓国なのか…すぐに韓国から離れろ」「どうか韓半島に平和を…」などという反応を見せている。


  Richard Engel - Wikipedia
  richard engel (richardengelnbc) on Twitter


   北に厳しく報復しろ、許せない、戦争辞さずとはいいながら、実際の戦争はイヤだ、と云うこと? 平和を? 韓国内の支離滅裂な状況が目に浮かびます。




【日米共同統合演習 12/03 から8日間】


[日米統合演習]軍拡の動きを懸念する
  2010年12月5日 09時30分、沖縄タイムス


  −−− 演習は日本周辺の空海域で行われるが、日米合わせて約4万4500人、艦艇約60隻、航空機約400機が出動し、過去10回の中で最大規模となる。韓国軍がオブザーバーとして初めて参加しているのも特徴だ。


   演習は、北朝鮮による韓国・延坪島砲撃が起きる前に計画されており、それに対抗したものではないが、朝鮮半島黄海で行われた米韓合同軍事演習が終わったばかりである。立て続けの演習は、日米韓が結束して北朝鮮の挑発行為に歯止めをかけるとともに、尖閣諸島問題などを抱え、海洋権益の拡大を活発化させている中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。 (以下略)


日米演習スタート、韓国も参加し連携図る
  読売新聞 12月3日(金)12時11分配信


<日米統合演習>東アジアでの影響力保持も狙い…米軍トップ
  毎日新聞 12月2日(木)19時59分配信


  −−−【ワシントン古本陽荘、北京・浦松丈二】「中国の特定の軍事能力は明らかに米軍に焦点をあてたものだ。『接近阻止能力』がまさにそれだが、我々が(東アジアから)出ていくことはない」


   米軍トップのマレン統合参謀本部議長は1日、ワシントン市内で米中関係について講演し、意図を明確にしないまま海軍力、空軍力を増強する中国をけん制した。今回の日米共同統合演習には、米国が今後もアジアでの影響力を保持していくというメッセージを発信する狙いがある。 (以下略)




【韓国軍海上射撃訓練 12/06 - 12/12】


韓国 海上射撃訓練を開始…北朝鮮は強く非難
  毎日新聞 12月6日(月)12時27分配信


S. Korea starts naval firing drills amid tension
  Associated Press, Dec.06, 2010 via Yahoo! News



アメリカの目指すところは非常に明確、復讐に燃える韓国・地域の盟主たらんとする中国の目指すところも、不明なところはあるもののそれなりに理解出来ますが、DPRKと我が日本のスタンスが全くわからない。DPRKについては信頼出来る情報源が殆ど無いことが原因ですが−−− でも今回の一連の出来事を眺めていて改めて確信出来たのは、日本は地域の盟主たりえないと云うこと、戦後が終わっていないと云うこと。とても独立国とは思えない。

Wikileaks による新たな暴露: 『ケーブルゲート』 その12 誰のために言論・ネットの自由を殺すか その4

アメリカ様の国外での蛮行が暴露されても 『ぜんぶウィキリークスのせい』 、思考停止も甚だしい;


米権益「秘密リスト」を公表=ウィキリークス―英紙
  時事通信 12月6日(月)20時1分配信

  −−−こうした米権益の公表に関して、安全保障の専門家は同紙の中で、テロ組織への「贈り物(標的)」になると懸念を表明している。 (以下略)


今度は「米国の死活的に重要な海外設備」暴露
  読売新聞 12月6日(月)21時26分配信

  −−−国際テロリストの活動を手助けしかねない可能性があるだけに、ウィキリークスの手法をめぐる議論が深まりそうだ。 (以下略)


テロ組織の標的になる前に、既にテロの総元締めアメリカの標的になっていると云うこと。それ自体問題では? アメリカはこれを調べてどの様に活用するのか? あるいはしていたのか? それさえ取材・提示せずにウィキリークスの手法だけを批判するのは、正に昨日紹介した 「某指導者」 語録通り。 世論操作のつもり?


最新の暴露文書中、多分これでしょう;

Reference ID / Created / Released / Classification / Origin
09STATE15113 / 2009-02-18 23:11 / 2010-12-05 21:09 / SECRET//NOFORN / Secretary of State


SUBJECT: REQUEST FOR INFORMATION:CRITICAL FOREIGN DEPENDENCIES (CRITICAL INFRASTRUCTURE AND KEY RESOURCES LOCATED ABROAD) (中略)


¶15. (S//NF) Following is the 2008 Critical Foreign Dependencies Initiative (CFDI) list (CI/KR organized by region): [BEGIN TEXT OF LIST] (以下、大変見にくいリスト。略)



題名: Two Iraqi men detained by Americans in 2006 by AP / Jacob Silberberg
出典: Happy as a Hangman / Truthdig, Posted on Dec 6, 2010


例えばアメリカ様による国外での人権蹂躙のケースは数限り無く報告されています。上掲写真はそのうちの1つに過ぎません。グアンタナモしかり。ウィキリークスとどちらがエゲツないのでしょう? まだまだ幾らでもありますよ、劣化ウラン弾 〜 奇形の赤ちゃん、殺人〜犠牲者の指収集、拷問 −−− 何の怒りも感じないのか?


WikiLeaks urges U.S. to fully examine abuses
  副題: "It is time the United States opened up instead of covering up,"
  Reuters, November 4, 2010 (←日付に注意) RAWA News 掲載


  −−−GENEVA (Reuters) – The founder of WikiLeaks called on the United States on Thursday to fully examine abuses by U.S. troops in Iraq and Afghanistan and to halt its "aggressive investigation" into his whistle-blowing organization. (以下略)


ウィキリークスは2010年10月22日に "War Diary: Iraq War Logs" を、2010年7月25日に "War Diary: Afghanistan War Logs" を、2010年4月5日には "Video: Collateral Murder" を 『暴露』 して来ました。その後上掲記事となった訳ですが、これは無視されたと思います。アメリカ政府だけの責任ではない、センセーショナルに報道し読者の覗き願望を満たすだけで、肝心の犯罪の主体であるアメリカの責任を追及しなかった大手マス・メディアも同罪。私が彼らを 『御用メディア』 と軽蔑するのはそのため。


で、今回の外交文書暴露。余程ハラに据えかねたのでしょう、刺し違える覚悟での暴露と思います。ウィキリークスの手法への批判はあるでしょうが、そんなものは暴露されているおぞましい事実そのものと比べたら取るに足らない。


ついでに言うなら、成り行きで? ヌキミで子作りを目的としないエッチを楽しんで国外へ出たので国際手配? スウェーデンの検察もインターポールもヒマですね。それがインターポールが関わる程の重大犯罪なら、世のオトコの何割かは情けないことにブタ箱行き。好色の政治家なんて軒並み終身刑では? 強姦の犯人など、チョン切った上で市中引き回し・獄門・さらし首(上下とも)。


今回の暴露の内容そのものは、本来アメリカの有権者に認識して欲しいものです。アメリカ国民として誇れることなのかをよく見て欲しい。 (記事ヘッダのリンク集からNYTを除外したのは、開示情報の取捨選択を行い、 「スミ塗り」 をしているため。) また、インターネット産みの親でもあるアメリカ国内で、有権者として権力によるネット検閲に抵抗して欲しい。 "Free and Open" が誇りではなかったの? それとも軍事ネットに戻したいの?