遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

訃報; ベネズエラのチャベス大統領死去 続報 その2

   訃報; ベネズエラのチャベス大統領死去 続報


「西側」 はよほどベネズエラの石油が欲しいらしいし、それ以上に 「旧植民地」 が楯突くことに我慢がならないらしい。一方でボリバル革命の行方も少し心配。元ブラジル大統領のルラは生前のチャベスに後継者を育てろってなことを言っていたと記憶しますが、マドゥロ以下どうなんだろう? 以下、日本での報道を紹介;


「死にたくない」と生に執着=死去直前のチャベス大統領―ベネズエラ
  時事通信 3月8日(金)7時39分配信

   何が言いたいのか? 悄然と迎えようが泣きわめこうが、生を終えるに当たってまでカッコつける必要などありませんね。何度か乗り越えた死を恐れたとしても無理は無いし、まだ死ねない、と云うことであったかも知れない。


チャベス大統領の遺体、永久保存へ…神格化図る
  読売新聞 3月8日(金)17時40分配信

   神格化は賢い選択肢とは思えない。チャベスが目指したのは権力や個人崇拝ではなくボリバル革命だから、それを個人に結びつけてしまうのは墓穴を掘るに等しくは無いか? それこそ 『反体制派』 の思うツボ。どうしてもシンボルが必要なら、本人の傾倒していた南米解放の英雄シモン・ボリバルで十分、剥製なんて趣味のよいこととは−−−



焦点:チャベス氏不在の中南米、反米同盟の勢力図に変化も
  2013/03/07 12:27、世界日報社

   『反米同盟』 のコトバは現状を正しく認識していない。正しくは 『地域自立』 なのであって、フィデルチャベスなどが抵抗しているのは、アメリカ政府の暴力外交による露骨な介入であり主権の侵害。プレーヤーの構成は変わっても、この流れは変わらないと思う。

  『複数の最新世論調査では、ベネズエラの次期大統領にはマドゥロ副大統領が有利との結果が出ており、もし当選すればチャベス氏が行ってきた海外支援プログラムは継続されるとみられている。 / しかし、もし対立候補と目されるエンリケ・カプリレス氏が大統領選に勝利した場合、同プログラムは終わることになる。同氏は昨年10月の大統領選ではチャベス氏に敗れたが、ベネズエラの石油を他国に差し出すチャベス氏の政策に反対する姿勢を明確にしていた。 / 先の選挙戦でカプリレス氏は「友人となるのに、買収する必要はない。2013年からは1バレルたりともただでは外国に与えない」と述べていた』 とありますが、チャベスは友人を得るためにオイルマネーで買収していた訳ではない。無知・悪意による偏見。その軍事力を行使して暴力的な外交を繰り広げるアメリカ同様、そのオイルマネーベネズエラには石油以外の地下資源も豊富ですが) を利用して地域の発展を目指したと云う事。黙っていたのでは、チカラの無い域内国は北に収奪される一方でいつまでも貧困から抜け出せませんから。ハイチを見てごらんなさい

  オイルマネーのバラマキを批判するのに、暴力のバラマキには目をつぶる愚、大馬鹿としか言いようがない。



(FT)時代の終わりを象徴するチャベス氏の死
  (2013年3月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)@ 日本経済新聞

   引かれ者の小唄。チャベスの死は時代の終わりではなく時代の変わり目のひとつの出来事。『惜しむのはロシアの兵器商人とベネズエラの石油開発に400億ドル(約3兆7600億円)を融資した中国の国営銀行だけだろう』、 『チャベス氏は自らの革命の徳をあれこれ説いていたが、大半の中南米諸国には分別があった』、 『チャベス氏の死はひとつの時代の終わりを告げる。それは大衆に人気のある独裁者による支配という中南米史における後ろ向きの時代の終わりをも象徴する』 などの記述を見る限り、記事を翻訳しているサラリーマン御用達よいしょメディアはともかく、米英は、自分達がしがみつく覇権・旧体制が終焉を迎えていることを知りつつ、ざまあ見ろと吐いているだけ。『南が貢ぎ北が栄えるという、世界史における後ろ向きの時代』 が既に終わっていることを、彼らはよく認識している筈。

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