遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

犠牲となるジャーナリスト; 山本美香さん殺害 もうひとつの視点から

   直近関連記事


山本さんの遺体、イスタンブールに=25日にも帰国―家族と対面も・トルコ
  時事通信 8月23日(木)21時34分配信


山本さん、あすにも「帰国」=死因は特定されず
  時事通信 8月23日(木)6時40分配信

  −−−22日にトルコ当局が行った司法解剖の所見では、銃撃を受けて死亡した山本さんの体には脊椎やその周辺に銃弾による損傷があり、動脈破裂もあった。体内には金属片の一部が残っていたという。出血多量で死亡したとの見方もあるが、現時点で死因は特定されなかった。 (記事終わり、引用終わり)


山本さんの死亡後、別の人物が24分間撮影
  日本テレビ系(NNN) 8月23日(木)3時17分配信



山本さんは日本人であるしその姿勢に共感するところが多いので紹介していますが、山本さんに限らず戦地や紛争地でいのちを落とすジャーナリストの数はご存じ? 正確を期することが目的では無いのであくまで参考ですが;


山本さん死亡で非難声明=報道の自由尊重訴え―ユネスコ
  時事通信 8月23日(木)6時53分配信


70 journalists killed worldwide in 2012 for their work
  NY : USA | Aug 08, 2012 at 3:06 PM PDT, Allvoices, Inc

  Journalism has become the most vulnerable profession across the world as around 70 journalists have been killed so far only this year. Unfortunately, the numbers are likely to increase further in the last couple of months of 2012. As many as eight journalists were killed in 2011 for their work in the aftermath of the Arab Spring. This year has already surpassed those gigantic figures with at least 15 deaths only in the violence-wracked Syria. (以下略、引用終わり)

   記事の日付からして当然山本さんは含まれていません。シリアでの死者数は今のところ;

  17 journalists lost their lives in 17 months in Syria
    23 August 2012 13:33 (Last updated 23 August 2012 13:34), Anadolu Agency

  日本人ジャーナリスト殺害の政府軍、他のテレビクルーも襲撃・拘束か
    CNN.co.jp 8月21日(火)18時3分配信

    −−−米非営利団体ジャーナリスト保護委員会によれば、シリアでの紛争を取材しているジャーナリストの死者数はこれまでに少なくとも19人に上る。 (記事終わり、引用終わり)

  シリア人報道関係者の犠牲54人に、政府軍が記者狙う方針か
    ロイター 8月23日(木)9時2分配信

     ブロガーまで含め、かつ未確認のプロパガンダを垂れ流しているだけの 「〜 か」 記事の典型。でも少しは真実も反映しているでしょう。


47 Journalists Killed in 2011/Motive Confirmed
  Committee to Protect Journalists]

   最終更新日は不明、2012年はその時点で55名 (うち確認済み33名、未確認22名)。2011年以前1992以降の数字はこのサイトで確認可。


例えば準戦地と云える麻薬戦争で殺されたメキシコのジャーナリスト (国籍は問わず?) については、上掲数字に含まれている筈ですが;


Mexico: 67 Journalists Killed Since 2006, Prosecutor Says
  07/17/12 09:40 PM ET by AP @ TheHuffingtonPost.com, Inc

  UN urges probe into Mexico journalist deaths
    Wed, 10/05/2011 - 02:04 @ World War 4 Report


ジャーナリストのいのちが他の人間のそれに勝るわけでも優先されるわけでもありませんが、彼らが外界に開かれた貴重な窓のひとつであり、状況を判断するための元となる情報を提供してくれているのは事実。


ジャーナリスト の定義はかなりあいまい。『基本的にはメディアに寄稿する人の事を指す』 とありますが、今はネットで誰でも発信出来る時代、分野も拡がりレベルもコンテンツも玉石混合。ネットの常で、有名であることやらアクセスが多いイコール一流とは限りません。


ただ、その中でも 戦場ビデオジャーナリスト をはじめとする、戦争・紛争地での取材を専門に行うジャーナリスとなると、現場の特殊性から死と常に隣り合わせゆえ今でも相当限られている筈。私がぱっと思い出せる範囲で紹介しますと;

   実話に基づく映画

   青木冨貴子 ライカでグッドバイ カメラマン沢田教一が撃たれた日:e-徒然草:So-net blog も参照

   ピューリッツァー賞 の日本版であり国際報道に貢献した報道者を表彰する目的ゆえ、対象は戦場ジャーナリストとは限らない様です。2003年佐藤和孝・山本美香(ジャパンプレス)ご夫婦にボーン・上田国際記者賞特別賞が授賞されています。



幸いにして私は経験がありませんからこれは想像ですが、戦場には秩序なんて無いでしょう。どちら側もその末端の兵士レベルの行動まで100%掌握・管理出来るワケが無いし、まして今回の様に、元々指揮命令系統なんてまるで無い反体制派が分裂・乱立し国外の義勇兵やら傭兵が入り乱れ情報が錯綜している状態では、戦況さえ把握不可能の筈。山本さんを戦場ジャーナリストと分類してよいのかわかりませんが、ご自身が撮り続けた市民同様に殺害されたことに。


『悪魔のアサド』 が一体何人を殺めていたのかは知りませんが、 『西側』 が自分達の利益のために仕掛けた 『戦争』 の結果、多分前者の何倍ものいのちが奪われる結果に。サダム・フセインしかり、カダフィ大佐しかり、アフガニスタンしかり。無意味このうえない。 何故止めないか、止められないのか −−−

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