遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

シリア情勢: いくらなんでもおかしい、とは思わないか???

シリア政府軍が避難民攻撃し127人殺害 反体制派が非難
  CNN.co.jp 4月8日(日)11時12分配信


   このメディアはその最たるものですが、アメリカ政府の意向を汲んだ情報操作が行われていないか? 国際社会注視の下、合意を履行するどころか同胞の民間人を殺害するほどアサドは馬鹿ではないだろうし、軍が暴走している様子もない。非常にデリケートなタイミングで政府軍が攻撃したとすればそれは反体制派の武力行為に対して (アメリカ国内で同じことが起きれば、当然将軍様も同じことをする筈です)、と考えるのが順当でしょう。あるいは政府軍に罪をかぶせるための反体制派による犯罪である可能性だって否定出来ないでしょう。



自由シリア軍ルポ 撤退続き苦戦、内紛も表面化…打倒アサド政権は袋小路
  産経新聞 4月4日(水)12時22分配信


   西側の軍事支援を受けた反政府勢力、言い換えれば 「テロリスト」 も、このアホメディアの手にかかると 「自由シリア軍」。もしアメリカ国内で国外から支援を受けた反政府勢力が行動を起こせばどうなります? 我が将軍様は証拠無しに支援国を爆撃しますよ。国内での非暴力の抗議活動でさえテロ扱いなのですから−−−



シリアで今起こっていることは独裁者対民主主義勢力の 「自由のための戦い」 などではない、政権を転覆したいアメリカやイスラエル、その恫喝に屈した諸外国による代理戦争。停戦合意の違反事象については双方の事情を確認するのが当たり前なのに、それが行われていない。反体制派は、リビアがそうであったように西側の軍事支援を受けていますから、政府軍を挑発あるいは堂々と戦闘行為を行っている可能性があるのに、それは皆知らん顔。民間人が戦闘に巻き込まれて、あるいはどちらかの盾にされて犠牲になっている、かつ戦死した反体制派は皆民間人とカウントしているのが実情では?


アサドが退陣しない理由は幾つも考えられます。支持する国民が多いのかどうかは知りませんが、それ以上に確かなのは、国外からの露骨な軍事援助によって国の主権が侵されようとしているからでしょうね。ふがいないアラブであっても、誇り高きアラブでもあります。


西側ではまず報道されない、反体制派の動きおよび報道の歪曲などについての参考記事のほんの一部を紹介。西側報道は皆正しく、それ以外は皆ウソと思うなら読むだけ無駄;


Syria says no to withdrawal without Annan written guarantees
  Sun Apr 8, 2012 12:52PM GMT, PRESSTV

  The Syrian Foreign Ministry says Kofi Annan has not presented “written guarantees” that armed groups will accept to stop violence in the country.  (以下略、引用終わり)

   これでは停戦合意とは言えないし、反体制派が攻撃を続けられるワケだ。


Journalist exposes intl. media war on Syria
  Sun Apr 8, 2012 12:37AM GMT, PRESSTV


Syria says terrorist acts on rise despite Annan plan
  Fri Apr 6, 2012 4:53PM GMT, PRESSTV


Intervention in Libya and Syria Isn’t Humanitarian or Liberal
  April 5, 2012, The National Interest Blog


Denuncia Siria a países que arman a los terroristas
  3 Abril 2012, Cubadebate


Unmasking the Democracy Promoters
  April 2, 2012, The National Interest


Opposition says Syrian rebel fighters to get salaries
  1 April 2012 Last updated at 21:16 GMT, BBC News


What Is Really Going On in Syria
  March 26, 2012, LewRockwell.com



一方で、トルコのポジションがよくわからない; イランおよびロシアは、シリア反体制派の支援国会合そのものに強く反発していましたから、決裂することは目に見えていたはずなのに;


<イラン>トルコとの関係に亀裂 アサド政権への対応めぐり
  毎日新聞 4月7日(土)20時36分配信


Syria unrest: Turkey says UN 'supports' repression
  3 April 2012 Last updated at 19:39 GMT, BBC News


Istanbul summit against peaceful settlement to Syria conflict: Russia
  Mon Apr 2, 2012 11:39AM GMT, PRESSTV



形式上国際社会のお墨付きを得ずに開戦したリビアでは戦費の負担に苦労したので、今回は "Friends of Syria" のふざけた美名の下、合意を得たいのでしょう。そうすれば 「国際社会」 に応分の負担を押し付けられますからね。 でもアメリカ・イスラエルにとってシリアなど何の価値も無く、その先に見据えているのはイランであることはミエミエですが。