遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

2011年東北地方太平洋沖地震 その53: 釈愚さんの新しい仮説紹介 (随時 加筆訂正予定)

ここしばらく、従来のプレートテクトニクスの考え方に疑問を呈する 釈愚(shaku gu)さんのブログ 『心安らかなる日々』 を読んでおります。検証中ではあるものの、本震およびその後の一連の余震の様子を見ている限り合理的な仮説であると判断し、私の責任において以下引用・紹介します;



 2011年3月11日東北地方太平洋沖地震について、さらに正確なメカニズムを明らかにする
  2011年04月14日 03時20分25秒





釈愚さんの仮説を理解しようと 釈愚式地震予知のための基礎仮説群に関する過去ブログ 記載の記事群と格闘中。不完全のそしりを免れず後日訂正要でしょうが、マクロレベルで現在の私なりの理解は;

 気候変動同様、地殻変動はあくまで結果であって主たる原因ではない。地球全体から見れば卵の殻程度の厚さしかないプレートの動きやら、地表の二酸化炭素やら外から来る太陽熱よりもはるかに大きな影響を与えるのは、地球内部の力;流動するマントルのエネルギーである。


 マントルの動きを単純な対流理論で捉えるのは、プレート理論をもっともらしく見せるための方便に過ぎない。熱と高圧力によって流動するマントルは、剛性の高い地殻内側の 凸凹 とぶつかることによってその境界付近では予測不能の複雑な動きをしている筈である。これこそがプレートを動かし地震を発生させる主原因であろう。


   
   参考出典: プレートテクトニクスとプルームテクトニクス


   

    
   参考出展: 3点とも 地球の構造


 更に内側の、マントルに熱を与えるコアについて。その内部の熱源は中心に鎮座している訳ではなく百万年周期で移動することで、極端な場合氷河期をもたらすと考えられる。熱源は現在太平洋の中心下のコアとマントルの境界付近に移動し、マントルを活性化させているのではないか?


 海洋部のプレートの厚さが薄いこともあり、地殻直下の温度は間接的に海水温の変化から推測可能と考える。エルニーニョやらラニーニャなどは別として (どちらもマントルの動きと関係あるかも知れませんが)、日本近海で見ると、海水温の平年差の分布は海流やら太陽の影響では説明出来ないので地殻からの熱伝導である、と考えられる。


   東北地方太平洋沖地震の発生機構 再考(2) −大規模地震の兆候、力と熱の不思議な相関


   気象庁 海水温・海流のデータ 日本近海 日別海面水温
   使い方?は上掲記事参照


   


 で、海水温の変化で特に注目すべきは冷水域の動き。海水が地殻とマントルの境界に流れ込んでマントルが急激に冷やされ固化し、地殻 (プレート) 内側に突起が出来ることで大きな力を受けやすくなる、と考えられる。(この辺りは私の理解の度合いが極端に低いので、冷熱流イコール冷えて流動性が低くなり、動きが緩慢で固化し易く歪を溜め易いマントルの動きを指す、と理解することにします。温熱流はその逆。)


東北地方太平洋沖地震の発生機構 再考(4) −移動する冷熱、移動しない冷熱、そして巨大地震の予測 中で、以下3条件が揃った非常に稀な状況下でのみ311クラスの巨大地震が起きると云う仮説が挙げられています;

  1. 動かないかなり強烈な冷熱が、プレート境界を間にしてその境を接する両プレート間に存在すること。 (中略)
  2. 日本列島の周辺の海域が冷熱に覆われていること。 (中略)
  3. 冷熱を保持するそれぞれのプレートが、円弧上になっているプレート境界にそってすべりを生じさせるような力を加えようとしていること。


      


311本震のメカニズムは 東北地方太平洋沖地震は、東海・東北地方太平洋沖地震にした方がよいのでは?(改訂1) の中で次の様に説明されています;


  −−−フィリピン海プレートに加わる力は、北向きです。そして、λ構造部に加わる力は下向きです。フィリピン海プレートの下は温熱流がどんどん真北に流れ込んでいるので、プレート間の力の拮抗とは別の北向きの力が加わっています。ここで、真北に流れ込む力とλ構造の下向きの力が偶力として作用して、宮城県沖ですべりを起こすことによって、この偶力が解放された。そして、東日本が大きく回り始めた。フィリピン海プレートはこのときにその回転変形に乗じて、その歪エネルギーを解放した。 (以下略、引用終わり)


この状態を図示したのが冒頭紹介の記事;


  


  −−−それまで安定していた大地が突然、温熱流の上に浮かぶことになり、まるで船のような状態になったところで、それでも碇をつけて耐えていたのが、突然その碇が切断され、東海から北向きの力を宮城沖から南向きの力を受ける。それが、日本列島を大きく揺さぶり動かした。 (以下略、引用終わり)


   
   参考出典: 東日本沖巨大地震


以上から、心配される余震については次の様に考えられると結ばれています:

−−−もし、この仮説どおりに地震が起ったならば、プレート、断層において相当量の力が解放されたはずである。だから、今は地震は多いが、逆に安心である。もっとも恐かったプレートの歪の蓄積。あれだけ東海大地震の恐怖を言われつづけたそのエネルギーの蓄積であったが、その解放が3.11に起った。


だから安心であるという訳にもいかない。しかし、すくなくとも巨大地震の恐怖は過ぎ去ったと言える。温熱流という液体の上に浮かんだのだから、余分な歪の蓄積は取れる。 (以下略、引用終わり)




  注意報】【4月14日午前8時00分現在】 予測どおりのM6.1の地震が5時に岩手県にて発生しました
   2011年04月14日 08時15分25秒



 釈愚式地震予知のための基礎仮説群に関する過去ブログ
   2011年04月13日 15時11分43秒



 
 直近24時間に発生した地震震源
 出典: 防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網 随時更新。


 余震JMAvsUSGS.xls 直
  随時更新、発生時刻が近いものは同一と見なしています。JMA(気象庁)のものを正としていますが、USGSとのアンマッチが多い様な−−−?



東日本大震災 余震域外で地震活発 気象庁が備え呼びかけ
  毎日新聞 4月14日(木)0時43分配信


  −−−気象庁地震予知情報課によると、活発化が見られる主な地域は、秋田県沖▽同県内陸北部▽同南部▽福島県会津地方▽栃木・群馬県境▽長野・新潟県境▽東京湾▽神奈川県西部▽新島・神津島静岡県東部▽岐阜県飛騨地方▽石川・福井県境。大きな地震が発生した地域もあれば、体に感じない地震も含めた小さな地震が増えた地域があるなど、活発化の仕方はさまざまだ。


  国土地理院の調査によると、東日本大震災に伴い、北海道から西日本の広い範囲で非常に大きな地殻変動が発生し、東日本では今も緩やかな地殻変動が続いている。地殻変動の方向は、震災前の地殻の動きとは反対の東向きという。 (以下略、引用終わり)


  地震情報(各地の震度に関する情報)/ 気象庁
     震度1以上を観測した地点と地震の発生場所(震源)やその規模(マグニチュード)の情報




地震予知に関する報道】


東大教授「日本全国どこでも危ない」 地震の場所や時期など予測は不可能
  J-CASTニュース 4月14日(木)19時12分配信


   Shake-up time for Japanese seismology
     Nature(2011)doi:10.1038/nature10105Published online, 13 April 2011


2日連続で震度6弱、専門家が分析
  TBS系(JNN) 4月13日(水)0時6分配信


   リーフレット「わが国の地震の将来予測 −全国地震動予測地図−」 (PDF 13,544 KB)
    地震調査研究推進本部


崩れた地震学、学者ら予測できず 「歴史の空白」盲点に
  産経新聞 4月14日(木)7時56分配信