遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

Yellow Cake −−−おいしそう?

私は男のくせに? 甘ぁ〜いものに目がありません。和菓子・洋菓子・中華菓子・タイ菓子、何でも。別腹。 (でも太らない体質なんです♪♪);



イエローケーキ
出典: 何でしょう?


わー、おいしそう。この色は卵黄? パンプキン? マンゴー? とんでもない、これを食べたらどうなるのだろう? それより、ある国がこの 「ケーキ」 を作った (厳密に云うと粗精錬した) ことが大きなニュースとなっています;

'Iran self-sufficient in yellow cake'
  Sun Dec 5, 2010 1:25PM, PRESSTV


  −−−According to the AEOI head, the Islamic Republic has become self-sufficient in entire fuel cycle. /   He expressed confidence that the country would face no problem in providing nuclear fuel for its power plants.  (中略)


  "You cannot disappoint us… You will not be able to hinder Iran's move towards nuclear industrial development by killing Iranian academics, intellectuals and scholars," Salehi reiterated. / Terrorists detonated bombs in the cars of Dr. Majid Shahriari and Professor Fereydoun Abbasi, both professors at Shahid Beheshti University in Tehran, in separate locations on November 29.  (中略)


  The development comes a day ahead of a fresh round of comprehensive talks between Iran and P5+1 -- Russia, China, France, Britain and the US plus Germany in Geneva.


上掲 「天然ウラン」 より名称 「イエローケーキ」 に関する部分を抜粋しますと;

  • ウランの粗精錬: (中略) −−−これらの沈殿を脱水してフレーク状にしたものがイエローケーキである。 上記の通り、イエローケーキ中のウランは必ずしも六価ではないし、工程の温度条件等により必ずしも黄色ではなく、オレンジ〜緑〜茶褐色まで幅がある。 現在イエローケーキと呼ばれているのは、歴史的に最初の精錬工程で作られたウラン精鉱が鮮やかな黄色だったためである。 / イエローケーキはドラム缶に詰められて転換工場へ出荷される。 ウラン鉱石はイエローケーキの状態で取引される。国際取引ではイエローケーキに含まれるウランを八酸化三ウラン(U3O8) に換算して、1ポンド当りの価格で売買が行われる。 / 世界の粗製錬工場のほとんどは鉱山に併設されており、日本国内には工場が無い。 (以下略)


   よく耳にする言葉に関して参考リンクを;


  ウラン - Wikipedia
  Yellowcake - Wikipedia
  濃縮ウラン - Wikipedia
  ウラン濃縮 - Wikipedia
  低濃縮ウラン燃料 - Wikipedia
  高濃縮ウラン - Wikipedia
  劣化ウラン - Wikipedia
  ウランちゃん


つまり、イランはウランを (韻を踏んでいるみたい) 自給して全ての燃料サイクルを他国に頼らず国内で完結させられるようになった、と云うこと。安全が確保出来て (イランに限らずそんなことが可能か? と云う議論は脇に置きます) 平和利用している限り何ら問題になる様なことではありませんが、 「イランは核兵器を開発しようとしている」 との相も変わらないヨタを飛ばす核保有国とその仲間達、別名 「国際社会」 にとっては面白くないことでしょう。


他国での報道は皆似たり寄ったりで、例えば;


Panic, Outrage as Iran Notes Ability to Mine Uranium
  December 05, 2010, ANTIWAR.COM


一方、イランがアマノ指揮下のIAEAにどれ程不信感を持っているかも数多く報道されています。今回のウィキリークス暴露で更に悪化したことは間違いありません。前モハメド・エルバラダイ事務局長は小役人アマノと違って、真に中立を貫くためアメリカの圧力に屈しませんでしたから、まだIAEAの存在価値があったのに。構成国の信頼を失った機関が機能する訳がない;


Irán advierte a la AIEA de que no admitirá un "apartheid nuclear"
  VIENA, 5 Dic. (EUROPA PRESS)


  ※ 『核の アパルトヘイト』 とはよく言ったものです。


  <IAEA>「核燃料バンク」設立決議案を採択 定例理事会
    毎日新聞 12月4日(土)10時13分配信


     バンクである以上、貸し渋り・破産もアリ。アメリカの意図がミエミエのこんな馬鹿な決議しか出来ないなら、もうIAEAなんて潰したら?誰も困らない。


IAEA Behind Scientist's Slaying, Iran Says
  Published on December 06, 2010, (iWireNews ™ and OfficialWire)


  −−−"We hold the IAEA responsible ... because it has disclosed the names of our scientists, putting them in serious danger," he was quoted by Mehr News Agency as saying. (以下略)


   殺人事件ですよ、IAEAはどう答えるのか? 馬鹿馬鹿しい、と一蹴するつもりでしょう。でももし殺されたのがアメリカの核関係者だったら、今頃アメリカ軍が証拠の有る無しに関係なく、報復のためイランに侵攻してまっせ。こんなIAEAに誰が情報開示しますか???


WikiLeaks cable portrays IAEA chief as 'in US court' on Iran nuclear program
  December 2, 2010, CSMonitor.com


   これがとどめでしょう。ただし記事中紹介されている John Large - Wikipedia さんコメントは、少々ピントがズレている様に感じます;


  −−−But Iran may now see such criticism as part of a broader anti-Iranian slant, given a leaked American diplomatic cable from October 2009 that portrays Amano to be in lockstep with key aspects of US policy. / “It will give the Iranians another lever to apply in pursuance of a weapons-grade program,” says John Large, an independent nuclear expert in London. (以下略)


  この方は核の危険性を様々な形で啓蒙している様ですから、別にイランでなくとも核利用における安全性そのものついて懐疑的な立場であろう、と解します。それはそれで素晴らしいことですが、上掲引用部分を見る限りイランに関してはどうも先入観がありそう。今問題なのはIAEAが構成国の信頼を失っていることですが、その辺りの事情は全く考慮されていませんね。記事題名とは裏腹に、中途半端なアマノ擁護、と私は読みますが。 (アメリカのメディアですから)