遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

いっそのこと、いったん日米安保を破棄してみれば??

鳩山さんも所詮育ちの良い優等生ですね。でも八方美人的・場当たり的な対応繰り返していると、アメリカからもアジアからもそっぽ向かれますよ;

  • http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091024-00000021-rcdc-cn
    米海軍作戦部長「中国海軍の西太平洋での影響力抑制に日米の協力が必要」―米紙
    10月24日20時19分配信 Record China


    −−−ラフヘッド大将は「日々強大化する中国海軍の西太平洋での影響力を抑制するためには、米軍は当該地域の同盟国、例えば日本と協力する必要がある」との考えを示した。
  • http://sankei.jp.msn.com/world/america/091022/amr0910221918006-n1.htm
    「鳩山政権は東アジアの安保を浸食」米元高官
    2009.10.22 19:18 MSN産経ニュース


     【ワシントン=古森義久】アジアの安全保障政策を担当した米国政府の元高官がゲーツ国防長官の訪日を踏まえ、鳩山政権が東アジアの安保の基盤を侵食し始めたと批判する論文を米紙に22日、発表した。同高官は鳩山政権の安保政策を「分裂症」と評し、日本国民の安全を守る責任を強調した。


     22日付ウォールストリート・ジャーナル・アジア版に「広がる米日安全保障の分裂」と題する論文を寄稿したのは、ブッシュ政権で2007年まで国家安全保障会議の拡散防止部長を務めたキャロリン・レディ氏。 (中略)


     日本の民主党の主張を非論理的だとする同論文は、核先制不使用について「東アジア・太平洋での抑止力の柔軟性と信頼性を保つには『核の傘』のあいまいさこそ効果があり、日本の安全もその傘に保障されてきた。だから日本の歴代政権も米国の核先制不使用に反対してきたのだ」と主張。東アジア共同体については「この構想で中国の軍拡や北朝鮮核兵器弾道ミサイルの脅威にどう対応するのか」と疑問を提起した。 (馬鹿馬鹿しいので以下略)


アメリカとの関係を見直そうとした時に必ず出て来る殺し文句は、『どうやって国を守るのだ?』 ですね。このコトバを支えるのは、核の傘のおかげで平和が維持されていると云う考えです。第二次大戦後 「押し付けられた」 平和憲法との齟齬が解消しないまま今日に至る、日米安保日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 (ウィキペディア)】 が全ての元凶です。昨日紹介の国際フォーラム提言の中では、「日米同盟の信頼性維持のために、集団的自衛権 *1 が行使可能な権利であることを認めなければならない」 と主張していますよね。ただしこの権利の行使は、今日現在憲法上許されていない筈です。


鳩山総理の 「私の政治哲学」 中では;

−−−覇権国家でありつづけようと奮闘するアメリカと、覇権国家たらんと企図する中国の狭間で、日本は、いかにして政治的経済的自立を維持し、国益を守っていくのか。これからの日本の置かれた国際環境は容易ではない。


 これは、日本のみならず、アジアの中小規模国家が同様に思い悩んでいるところでもある。この地域の安定のためにアメリカの軍事力を有効に機能させたいが、その政治的経済的放恣はなるべく抑制したい、身近な中国の軍事的脅威を減少させながら、その巨大化する経済活動の秩序化を図りたい。 (以下略)


と明言していましすし、一方 民主党の政権政策マニフェスト Manifesto 中では;

51.緊密で対等な日米関係を築く

  • 日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係をつくるため、主体的な外交戦略を構築した上で、米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす。
  • 米国との間で自由貿易協定(FTA)の交渉を促進し、貿易・投資の自由化を進める。その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わない。
  • 日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。

アメリカの軍事力については明言されていないものの、いずれも日米安保についてはその存在を否定していません。この点 「分裂症」 と言われてもしかたがなさそうですね。


中国やDPRKなどの 「潜在的敵国の核兵器」 から国を守るには武力が必要不可欠であり核の使用も場合によっては止む無しと考えるなら、憲法を見直して・あるいは拡大解釈して日米同盟を強化するのがイチバン安上がりですが、その方向で行くなら旧政権の方が良かった。後戻りの出来ない非常に危険なゲームですから、新米の手には負えない。『東アジア共同体』 の実現も永遠に無理。実質日本は、ハワイに代わって中国のそばまでアメリカの領土を拡げるための駒となりますが、きっと安全ですよ。(オバマジョリティーですから♪)


しかし武力や、まして核兵器などに頼らない国防の実現を 「高く大きな」 目標と定めるのであれば、当面の対応も変わって来る筈です。安保をいきなり破棄する訳にはいかないと判断するなら期限を決めて終息させるとか、安保をいったん破棄して 「現実的な」 別条約を考えるとか、カネでカタを付けるとか。この場合のリスクは前者に劣らないし、よほど知恵を絞らないとそんな 「青臭い国防」 は実現出来ないものの、不可能ではない筈。ひとが考えることが出来るものは必ず実現出来る、って、アメリカの某成功哲学者も言ってるし。


この話題を考える時、いつもパール判事の言葉 (8月15日の記事) を思い浮かべています;

−−−”過ちは繰り返さぬ”という過ちは誰の行為をさしているのか。むろん日本人をさしていることは明かだ。それがどんな過ちであるのか、わたくしは疑う。ここにまつってあるのは原爆犠牲者の霊であり、原爆を落としたものは日本人でないことは明瞭である。落としたものの責任の所在を明かにして、”わたくしはふたたびこの過ちは犯さぬ”というのなら肯ける。


 この過ちが、もし太平洋戦争を意味しているというなら、(中略) 過ちをくり返さぬということが、将来再軍備はしない、戦争は放棄したという誓いであるならば、非常にりっぱな決意である。


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*1:自国に対する他国からの武力攻撃に対し、実力をもってこれを阻止・排除する権利である個別的自衛権に対する言葉で、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を意味します。 自衛権 (ウィキペディア) 参照。