遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

なぜ英語が話せなければいけないの? その1

今日は、外国語を学ぶことについての考察を;

外国語をメシのタネとしている/仕事の道具として使っているひとや学生さん・受験生などは除きますよ。

逆説的ですが、英語が出来ないと何で困るんだっけ?と考えるとどうでしょう?大半の人たちは、多分何も困らないのでは? 必要が無いのに時間やカネをかけて学ぶのは至難のワザ。ニンタイとかツヨイイシとかシメタフンドシ(死語ですが)が必要。楽しくない、業者が儲かるだけ。アタマの体操や、ボケ防止にはなるかも知れませんが。

日本の実質宗主国?であり、少なからぬ日本人が崇め奉りあこがれるアメリカ合衆国の大半の人たちは、たとえビジネスの世界にいても、外国語なんて出来ないのが大半。当り前ですよ、その必要を感じていないからです。英語は世界の標準語だと思っていますからね。実際はそんなに通じませんが。大半のアメリカ人は、カネにならない勉強はしない。(私のヨタですが、多分高い確率で正しい)

視点を変えますよ、日本に滞在していらっしゃる外国人の中には、我々が恥ずかしくなる程立派な日本語を話す方がいらっしゃいますね。そこまでいかないにしても、相当流暢に話される方は相当数いらっしゃる。日本語を専門に勉強されたケースは少ないでしょう、大半は苦労されたからうまくなった。生きていくため、仕事のため、ご自身の権利を守るため、くにに残してきたご家族のため、必死に勉強されたからうまいのです。

誰だって、その必要に迫られれば学びます。日本語のあまりうまくない外国人の恋人(超短期のコイビトは除きます)が出来たら、多分何をさておいても一生懸命勉強するでしょ。仕事で(=業務命令で)どこかの国へ行かされて、その国の言葉しか使えない環境に放り込まれたらいやでも出来る様になります。もちろん、その様な環境に置かれたことを受け入れる/チャンスと考える/楽しめるこころの余裕は必要ですが。私の身の回りにも実際いらっしゃいます。私は意外と負けず嫌いなのですが、ある方はある専門分野のために駐在されました。赴任時西語なんて全く出来なかったのが、何年かのお仕事終えられ帰国の際、一般的な西語であれば勿論私の方が上ですが、その分野については完全に脱帽、のレベルになっておられましたっけ。

自分は何故外国語を学びたいのか、本当に必要なのかをよく見極めれば、何をすべきかがハッキリしますね;

何故英語なの?

  • たとえば、イスラムのことを深く勉強したい、となれば、英語なんてまず不要。英語で書かれた、と云うより英米人の書いたイスラム関連のものはあたまっから偏見に基づくものが多くロクなものがない、と聞いたことがあります。日本の研究者の書かれたものには秀逸なものが多数ありますから、外国語はその段階では不要。もちろん、ムハンマドが預かった神の言葉であるアラビア語を勉強するのが最高!!クルアーンを1冊読める様になれば卒業みたいですし。
  • 私の場合は、フラメンコの唄の意味が知りたいと思ったのが、高校生時代西語を独学で始めたキッカケ。英語なんてまずカンケイない。*1 英語は主に勤め出してから必要になったためOJTで学んだことと、著名な言語学者としてではなく外交評論家であり論客でもあるチョムスキー教授の書籍を読むことでかかわり続けています。(蛇足ながら、911以降アメリカの大手メディアは皆骨抜きになったので、見出し以外は見ないことにしています。日本の新聞はアメリカ一辺倒だから、まして読まない。文芸・社会面は別ですが)

聞いて理解する・読む・書く・話す・議論するのどれが/どこまで必要なの?

  • 読んで理解出来ればよいケースが多いと思います。インターネットで世界中のサイトにアクセス出来る日本の様な環境にいれば、場合によってはフォーラムにカキコしたい、メールのやりとりをしたい、など、書くところまで出来た方がよいかも。

方法は?

  • 自分のニーズに応えてくれる学校や参考書、駅前ではない留学など、予算に応じて様々ありますね。でもそれだけではない。日本に住んでいるのであればインターネットを活用しないテは無い。一昔前は到底考えられなかったことが出来ますから。そのうち私のケースを紹介しますね。

必要に迫られて、だけではなく、音楽やら舞踊やら芸術やらこころから自分が楽しめることで外国語と関わるのは本当に楽しいし、苦労も苦労とは思わない。真の意味で自分の血となり肉となります。一生のうちに何度必要となるかわからない英会話なんて、カネの無駄遣いとしか思えない。

もうひとつ大切なこと;上手にやろうなんて考えないこと。ここだけのハナシ、ビジネスの会議の席上の英語なんて、大半は社外のひとには聞かせられたレベルのものじゃあない。でも、立派な英語が求められている訳ではなく、業務上での交渉・合意が求められている訳で、それが達成されればマルなのです。一発で通じなければ言い方を変えて何度でもやればよい。わからなければ、とことんわからない、と主張すればよいのです。メールも同じ。そのうち段々サマになってきますって。

特に必要もないけれど英語を勉強してみたいって? であるなら、楽しくやることが絶対必要なので、お勧めする訳ではないが、大多数の男性なら英語の合法的な?ポルノサイト閲覧とか、同じく大多数の女性ならロマンス小説を原語・翻訳で読み比べるとかいかが?まず挫折しませんからね。

*1:例外:ドン・ポーレンの書籍やらディエゴ・デル・ガストール愛好サイトなど