アフガニスタンの鉱物資源
アメリカが浪費する戦費1兆ドルに相当する鉱物資源がアフガニスタンに眠っている、との報道がなされています;
- アフガンに1兆ドル規模の鉱物資源、管理体制に懸念も
2010年06月15日 11:50 発信地:カブール/アフガニスタン, AFPBB News
−−−【6月15日 AFP】米地質調査所(US Geological Survey、USGS)がアフガニスタンで実施していた調査で、同国には少なくとも1兆ドル(約92兆円)相当の鉱物資源が存在していることが明らかになった。汚職がはびこっているアフガニスタンで、こうした豊富な鉱物資源をどのように管理していくかについて懸念する声もあがっている。 (中略)
■アフガン市民の利益となる計画策定が重要
米国務省のフィリップ・クローリー(Philip Crowley)次官補(広報担当)は記者会見で、「(鉱物資源からの)収益が、全アフガニスタン市民の利益になるような効果的な計画策定」が重要になるとの認識を示した。 (以下略)
- 元記事:
Afghans: US finds mineral riches in Afghanistan
14, 2010 10:08 AM ET, Associated Press
- 調査母体HP:
USGS Projects in Afghanistan
※ 地震情報でお馴染みの組織
USGSの調査は何も昨日今日始まった訳ではなく、このタイミングでわざわざ発表した意図はミエミエ。アメリカ政府が 『アフガニスタン市民の利益』 を考えるなど笑止千万、それを信じる馬鹿なアメリカ国民も殆どいないと思います。昔日本に、押し入った先の被害者に対してセキュリティーの大切さを説く 『説教強盗』 ってぇのがいたそうですが、それに近い。戦争を続ける価値がある、アメリカを支持しないならおこぼれにあずかれないぞ、と遠回しに言いたかったのか? 戦費を投資と考えてそれに対するリターンを提示するなど、カネ万能のアメリカらしい。一体今までだけでも何人殺したと思っているのか?
加えて金額だけが独り歩きをしている様で、例えば;
- http://www.europapress.es/internacional/noticia-afganistan-cifra-245-billones-valor-minerales-no-explotados-20100625113755.html
Afganistán cifra en 2,45 billones el valor de los minerales no explotados
LONDRES, 25 Jun. (Reuters/EP)
※ 注: 西語の "billón " は英語の "billion" とは違って1兆を意味します。
- 'Afghan mineral riches worth $3 trillion'
Thu, 17 Jun 2010 23:42:04 GMT, PRESSTV
それに対する警告やらやっかみも幾つかあり−−−
- Sorry, Trillions in Unmined Mineral Wealth Is Not a Reason to Keep Occupying Afghanistan
June 19, 2010, AlterNet
- War for Resources: From Slander to Clarion Call
Posted on Jun 18, 2010, Truthdig
- Why Lithium Can't Save Afghanistan
Tue Jun 15, 2010 11:53 PM ET, Discovery News
- Afghanistan: The Saudi Arabia of Lithium?
Mon Jun 14, 2010 12:25 PM ET, Discovery News (Content provided by Waheedullah Massoud, AFP)
- アフガンに1兆ドル規模の鉱物資源、管理体制に懸念も
※ 冒頭紹介したのと同じ記事
−−− アフガニスタンの鉱物資源開発については、中国とインドが権益獲得を目指しており、大規模銅山開発ではすでに中国企業が契約を獲得している。鉄鉱石の権益については、年内に契約企業が決定する予定となっている。(c)AFP/Waheedullah Massoud
※ 中国叩きの一環と言えると思います。でも人を殺す以外能の無い某国よりまだマシではありませんか?
アメリカやロシアの侵略戦争によりこれだけ荒らされてしまったアフガニスタンには、地下に眠る鉱物資源を単独で商品化出来るだけの設備や能力は残念ながら無いでしょう。そこに付け込んで強奪しようとするのはボリビなどでもお馴染みの手法。
更に、百歩譲って、外国資本による正当な対価に基づく技術供与でめでたく商品化出来たとしても、それはアフガニスタン国民の利益にはならない。何故? 我が敬愛するマラライさんが叫び続けている様に、国会 (ジルガ) がアメリカの傀儡であるカルザイを強姦している WARLORDS (過去アフガニスタン国民の人権を蹂躙してきた軍属たち) で占められている状況だから、そのカネがどこに流れるかは火を見るより明らかですね。豊富な資源を持つことは、今のアフガニスタンにとっては不幸なことかも知れません。