遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

食品の浪費・廃棄 −−− 仕方が無いことなのか?

いのちを支える食品も、市場経済の中では商品のひとつに過ぎない −−−


商売ですから、購入を煽ることも正当なら、見込みに基づいて調達することも正当。その結果、残念ながら売れ残った不良在庫は最終的に廃棄するのも当然;

一方、 『廃棄食品』 が横流しされたのはとんでもないこと。食品ナンタラ法など法規に違反しているかも知れないし、そもそも廃棄委託契約の違反行為。消費者さまの健康を考えて、廃棄されるべき;

でも世界では、いや多分日本でも、壊されたセーフティーネットのザルからこぼれ落ちた餓死者が発生している中、食品の廃棄なんてとんでもないこと。 『賞味期限過ぎ』 『異物混入の可能性あり』 など明記し、低価格と引き換えに購入者責任で (= 生産者・販売者の責任を免除して) 食べることの出来る選択肢も必要では? 暴論であることは百も承知ですが、上掲廃棄食品横流しのケースでは、それを購入して食べた結果トラブル発生と云う報道はざっと見た限りでは無いみたいだし。食中毒はマズいけれど、多少腐っていてもハラをこわすだけのこと。ヤバいかな、と思えば火を通すとか。潔癖過ぎる安全基準も考えもの。


先ごろ他界された野坂昭如さんの 『絶筆』 にこんな部分がありました;


−−− 要するに飢えたことがないのだ。飢えはどこか遠い国のことと思い込んでいる。米が主食は明治以降のこと。食いもの不足は当たり前だった。 −−− 言っておきたい。いざとなったら、金じゃない。食いもののある国が生き残るのだ。よその国など誰が助けてくれるか。


この部分は食品生産工程の最上流である自国の農に関する記述の一部ですが、最下流での浪費も結果は同じ。こんなことやってると、そのうち必ずバチが当たる。

.