遊蕩爺の漂浪メモ

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シリア内戦Watch; その3 〜 化学兵器の存在

   シリア内戦Watch; その2


Syria Live Blog - Al Jazeera Blogs



Syria warns of chemical attack on invaders
  Last Modified: 24 Jul 2012 05:35, Al Jazeera English


Syria will never use chemical weapons against its own people: Spokesman
  Mon Jul 23, 2012 1:29PM, PRESSTV


Syria official: We will use chemical weapons only to defend 'external aggression'
  By Reuters and Barak Ravid | Jul.23, 2012 | 2:30 PM @ Haaretz Daily Newspaper

  U.S. shifting Syria focus from diplomacy to aiding rebels
    By Reuters | Jul.24, 2012 | 4:47 AM @ Haaretz Daily Newspaper


米大統領、化学兵器使用なら責任追及
  TBS系(JNN) 7月24日(火)12時44分配信

  −−−「もしアサド政権が化学兵器を使うという悲劇的な過ちを犯せば、国際社会とアメリカは責任を追及するだろう」(アメリカ オバマ大統領) (中略) ホワイトハウスのカーニー報道官は「オバマ大統領はシリアへの軍事介入や侵攻を正しい行動とは考えていない」と、軍事力行使の可能性を否定し、あくまで外交的圧力により、シリアの政権移行を目指す考えを強調 (くっだらねぇ、引用終わり)



アメリカは国際社会の一員ではなく、アメリカとアメリカが取り仕切る虚臭い社会、と云う本音が出た発言。また、死神婆率いる 『外交』 って、結局軍事力行使をちらつかせた恫喝でしかないでしょ? 『正しい行動』 ? 胡散臭いこと。そのために一体何人殺せば気が済むか???


選挙も控えてキレイごとで通したいのだろうが、化学兵器に関しては (も) アメリカは無辜ではありませんよね??


   アメリカはイラクの過去の化学兵器使用を責められるか?
     文字化けする場合、エンコードで調整要。


上掲は多分2003年の記事ですが、状況は変わっていないでしょう。



シリアが化学兵器保有認める、軍事介入への使用示唆も
  ロイター 7月24日(火)10時32分配信

  −−−シリア外務省のマクディシ報道官は、同国が化学兵器や細菌兵器を保有していると認め、「国外からの侵略がない限り、シリア情勢がどのような状態に陥ってもこれらの兵器が使用されることはない」と述べた。 (以下略、引用終わり)


他国からの侵略に対抗する権利はどの国にもあります。結局アメリカは直接・間接の侵略をちらつかせて化学兵器の使用を挑発していることになる。また、 『シリアは 化学兵器禁止条約 に署名していない。』 と云う点については、例えばイスラエルなど調印はしているものの、批准していなければ発効していない筈。加えて;

  • 化学兵器禁止条約第2条9項の規定により国内の暴動の鎮圧を含む法の執行のための目的で化学兵器を使用することは認められている。警察などが暴徒鎮圧に催涙弾を使用しても条約違反にならないのはこの条項による物である。そのため、解釈によっては国内のテロリストなどに対して化学兵器を使用することは違法行為ではない。 (以上、上掲 化学兵器禁止条約 - Wikipedia より抜粋)


この記述が正しければ、シリアは未署名にしろ、現段階で既に反体制派に対して化学兵器を使うことは必ずしも違法とは云えないことになります。参考まで件の第2条9項の規定とは;

  • 9. "Purposes Not Prohibited Under this Convention" means:


    (a) Industrial, agricultural, research, medical, pharmaceutical or other peaceful purposes;


    (b) Protective purposes, namely those purposes directly related to protection against toxic chemicals and to protection against chemical weapons;


    (c) Military purposes not connected with the use of chemical weapons and not dependent on the use of the toxic properties of chemicals as a method of warfare;


    (d) Law enforcement including domestic riot control purposes.


引用元: Articles of the Chemical Weapons Convention


参考:  Chemical Weapons Convention - Wikipedia

−−− 核兵器同様、 『抑止力』 として保有と云うことでしょう。様々な取り決めやら条約にしてもアメリカに都合よく、抜け道満載に作られている筈ゆえ、アメリカが使えば正義、それ以外は全て悪、のお馴染の構図が当てはまる筈。 なお 化学兵器の廃棄 / アメリカ合衆国の大量破壊兵器 によれば、アメリカは (も) まだ廃棄し切っていない可能性があるし、例によって他国の査察、まして軍事施設への立ち入りなんて絶対に認めませんから、申告が正しいと云う保証もない。核兵器削減もしかり、ロシアも中国も然りですが。


前にも書いた覚えがありますが、 『抑止力』 として効果を発するのは、それを使うことがあり得る場合のみ。日本でも抑止力としての核兵器保有を公然と主張するヤカラがいる様ですが、その様な馬鹿に限って悪いアタマに血が昇った途端に使用するでしょうね。ナントカに刃物、でしたっけ、国を守ることとは程遠い。軍事オタクか、前頭葉が退化してしまっているか−−−