遊蕩爺の漂浪メモ

『翻訳家 山岡朋子ファンクラブ初代会長の日記』 より移行

オリバー・ストーン監督 vs NYT、 ついでにIAEA天野の失策

私は時の運である勝ち負けには全く興味がありませんし、テレビの無い生活をしていますからネットで確認しただけですが、ワールドカップパラグアイ x 日本の試合は延長でもノースコアでPKまでもつれこみ、それに先立つウインブルドンテニスの男子シングルス1回戦ではジョン・イスナー x ニコラ・マユの試合が3日がかり計11時間5分・計183ゲーム、第5セットの138ゲームは8時間11分のいずれも新記録、共に持てるだけの全力をふりしぼった素晴らしい試合だった様ですね。


ただサッカーに関して、 「サムライ」 と云うコトバは 「武士道」 同様に私は大っ嫌いですし、人間である審判がやっている以上致し方の無い誤審に関してあれだけモメるのであれば、テニスや競馬で採用している様なハイテク?判定を採用するしかないだろうと感じましたが。 (過去サッカー戦争なんてものも実際ありましたからね)


◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇−◇


さて、先日紹介のオリバー・ストーン監督の映画 "South of the Border" について ニューヨーク・タイムズ - Wikipedia がいちゃもんを付け、それに監督が反論しています;

ニューヨーク・タイムズの記事】

    • Oliver Stone, Tour Guide
      By STEPHEN HOLDEN, Published: June 25, 2010 / NYTimes_com


      同日同紙に掲載の別記事。これも好意的とは云えないもの。


オリバー・ストーン監督の公開反論】


NYTがどの様な回答をするのかあるいはシカトするのか見もの。なお丁度よいタイミングで同紙に関する記事が翻訳されましたので、あわせて紹介しますと;


ついでですが、この記事にはイラン核問題についての記載もあり、IAEA天野のことも書かれています;

−−−実際は、既に2008年2月からイランについて公開された報告書で「軍事利用の可能性」という語句が使われ始め、その後、八回の報告書でも毎回この語句を使っていたし、最新の報告書ではこの件やその他について目新しいことは何も述べていない。そうではなく、天野之祢IAEA新事務局長のもとで、IAEAは過去の主張を単に言い換えて再び強調しているにすぎない。権力層の記者が特定の容疑を拾い出し、過熱気味に煽り----この報告書は「イランと米国および西側諸国との対立を加速する」とサンガー&ブロードが予言したように----開戦の後押しをしやすくさせたのである。それはNYタイムズが2002−2003年にイラク、1953−1954年にグアテマラ、その他米国の標的に対しやってきたことである。ピーター・ケーシーがサンガー&ブロードの「あからさまに不誠実な」記事を分析して次のように問うている。「アメリカの新聞はイランと西側諸国との『対立を加速する』ために意図的に事実をねじ曲げて伝えているのではないか?」 回答は明らかで、「その通り」である。


文章をいったん切ったためか翻訳が少しわかりにくいこの部分は、原文を見ると;


  "−−−In fact, not only did the IAEA start using the phrase "possible military dimension" in its published reports on Iran as early as February 2008, and not only has the IAEA used this phrase in every one of its eight reports since, but the latest report has nothing new to say on this or any other subject.Instead, under the new General Director, Yukiya Amano, the IAEA merely rephrased and re-emphasized past allegations to make it easier for establishment reporters to single out specific charges and inflame passions over them—as when Sanger-Broad predicted this report will "accelerate Iran's confrontation with the United States and other Western countries"—and help the push towards war, as the Times also did in dealing with Iraq in 2002-2003, Guatemala in 1953-1954, and other U.S. targets.As Peter Casey asks in his analysis of Sanger-Broad's "transparently dishonest" article: "Is America's 'paper of record' consciously misrepresenting facts to 'accelerate confrontation' between Iran and the West?"The clear answer is: Yes."


結果として、あるいは意図的にか、IAEA事務局長たる天野はアメリカの新聞とともにイランと西側諸国との 『対立を加速する』 ために意図的に事実をねじ曲げて伝える片棒を担がされたことになります。アメリカによるIAEA私物化に抵抗した気骨のモハメド・エルバラダイ前事務局長だったら、あのタイミングであんな不用意な報告書は出さなかったでしょう。アメリカが何をもくろんでいるか明らかだった訳ですから。でも気を落とさないで、あこがれのオバマやヒラリーから誉めてもらえたでしょ。